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自治体の皆さまへ

桜井市長所信表明(2)

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北海道美唄市

■まちづくりの方向
つきましては、私は今後、3つの基本政策を柱として、市政を推進してまいります。
1つ目としては、「市民の暮らしを守ることを最優先する」ということです。
まずは、物価高騰に加え、今後さらに電気代の値上げも行われる今、不安を抱える多くの市民の皆様の生活を支えるため、全市民への1万円給付について、スピード感を持って取り組んでまいります。
また、本市の基幹産業である農業を営む方の生活を守るため、後継者不足といった課題への対応として「美唄の農業に適したスマート農業」を産学官連携のもと推進を図るほか、資材や肥料の高騰の影響を受けている農業者の方々への支援を行ってまいります。
さらに、高齢者の生活を守るため、間口除雪の要件緩和や、免許を返納しても安心して移動できるよう交通手段の確保を図るほか、市民の皆様が安心して医療が受けられるよう、市立美唄病院の機能・スタッフの充実に取り組んでまいります。
2つ目としては、「事業の優先順位を見直す」ということです。
財政状況につきましては、ここ数年におけるふるさと納税の大幅な伸びや、特別交付税の増額などにより、一般会計に属する基金残高の大幅な増額が図られ、各財政指標も好転している状況にあります。
しかしながら、中長期的には人口減少や少子高齢化の進展により、市の財政規模は縮小していくことが予想されており、限りある財源や人員を有効に活用していくためには、行政サービスの量から質への転換を図ることが重要となっております。
私といたしましては、市民の皆様にとって真に必要な事業、すなわち「市民の暮らしを守る事業」を最優先に、現在進行中の事業であっても一旦棚卸を行い、優先順位の高い事業へ予算を重点配分するなどの見直しを図ることを基本姿勢としておりますが、今年度においては、すでに着手されている事業もありますことから、これら事業については、「最小の経費で最大の効果を上げる」という地方自治運営の基本原則に基づき、可能な限り経費の縮減に努めるとともに、事業の効果検証など地道に精査を行い、来年度以降の予算編成に確実に反映させてまいります。
また、各事業の優先度の見直しに際しては、市民の皆様や事業者の皆様の満足度の向上を念頭に、冒頭より申し上げている「対話」を通して、十分な情報共有を図りながら、合理性のある判断に努めてまいります。
3つ目としては、「びばいの未来へ投資する」ということです。
かつて炭鉱の最盛期に9万人を擁した人口は、現在、1万9千人にまで減少しており、今後さらに人口減少が進み2040年には約半分の1万人になる推計となっておりますが、この減少に歯止めをかけ、未来にわたって持続可能な地域社会をつくるためには、必要な先行投資を積極的に行い、様々な課題解決を図りながら、美唄に希望を持って住み続けられるまちづくりを進めていかなければならないと考えます。
その先行投資とは、人口減少対策、そして子どもの教育や子育て環境の整備であります。
現在の本市における年間の出生数は減少を続けており、子どもたちの保育、教育環境の改善は、未来の美唄を支える人材の育成・確保をしていくうえで大変重要かつ喫緊の課題となっております。
また、安心して子どもを預けられる保育環境づくりや子どもたちの教育への投資は、市内の子育て世帯や一度市外へ転出した美唄出身の若者が帰ってきたいと思う魅力となり、移住・定住人口の増加にもつながるものと考えます。
このことから、将来のまちづくりを担う人材を育成していくため、小学1年生からのコンピュータ教育の推進、習い事や塾など学校外活動費の一部助成や子ども議会を設置するほか、安心して子育てができるよう保育環境の整備、一年を通じて子どもたちが安全に遊べる公園や屋内遊技場を整備するなど、未来への投資を積極的に進めてまいります。
また、道道美唄富良野線の開通による人の流れの変化を見据えた企業誘致や、観光拠点づくりなどを実現することで、地域における経済効果だけではなく、若い人たちが美唄で働きたいと思える地域特性を活かした魅力的な雇用環境を作りながら人材の確保を図ってまいります。

■結び
以上、市長就任のご挨拶と、市政運営についての所信の一端を申し述べさせていただきましたが、この方針は市民の皆様との対話から作り上げたもので、お示しした取組は、まだまだ例示にすぎないと考えております。
引き続きもっと多くの市民・企業の皆様の声をお聴きする対話の機会を多く設けながら「皆が、ときめく未来を語るまち、美唄」の実現に向けて、市民・議会・行政が力を合わせて、スピード感とよい意味での変化を感じ取れるよう私が先頭に立って取り組んでまいります。
市民の皆様、市議会議員の皆様におかれましては、今後の市政運営に一層のご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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