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≪特集≫DX(Digital Transformation)で広がる選択肢(1)

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北海道美幌町

DX(ディーエックス)は、デジタル・トランスフォーメーションの略で、「デジタル技術を浸透させて人々の生活をより良いものへと変革すること」という意味になります。つまり、単純なデジタル化ではなく、生活を豊かにするためのデジタル化を指します。
DXの取組を進めることで、今までのようなサービスが受けられなくなるわけではありません。一人一人が受けるサービスの選択肢が増えることになります。
この特集では、DXでどんな変化があるのか見ていきます。

◆デジタル化のメリット
・距離の壁を超えられる
場所を限定されずに情報をやり取りできるように。

・作業を自動化・無人化
単純作業を自動で行えるように。作業効率の上昇でサービス向上へ。

・情報を素早く伝達・処理
情報の発信・処理が容易に。素早く重要情報を届けられる。

・紙削減で環境保護
紙や印刷にかかるコストを削減すると同時に、環境保護にもつながる。

◆QRコード使ってみよう!
美幌町の広報誌でも見かけるQRコード。カメラで読み取るだけで情報を得ることができます。この特集の中にもたくさん出てきますので、使ってみてください。

▽QRコードの使い方
スマートフォンのカメラアプリを起動して、QRコードにかざす
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

◆美幌の暮らしもデジタル化が進んでいます
▽電子申請
いつ、どこにいてもスマホやパソコンを利用して申請ができるサービスです。

▽スマホ決済
スマホ決済アプリを利用することで、役場や金融機関へ行かずに税金などの納付ができます。

▽施設予約[10月末まで試験運用中]
町内対象施設の予約をインターネット上で行えるサービスです。空き情報の確認にも使えます。

▽ごみ分別アプリ
分別をどこでも確認できるほか、吹雪などで収集中止の場合にすぐお知らせを受け取れます。

◆Case1 農業[agriculture]×デジタル[digital]
農家 近藤 直樹(こんどう なおき)さん
美幌町出身。1986年生。建築系の専門学校を卒業後、建築系の企業に4年間勤務。のちに美幌に戻り農家を経営。

『デジタルで課題解決へ 挑戦をプラスに考える』

美幌町で農家を営む近藤直樹さん。その耕地内のビニールハウスから、とある機械を手に現れた。「これが農業用のドローンです。ちょっと古いですけどね。」
デジタル技術を活用するスマート農業。近藤さんはドローンを活用した農薬散布などに積極的に取り組み、美幌町農業のデジタル化を牽引してきた。しかし、そのきっかけはさまざまな偶然によるものだった。「レクリエーション感覚で」と案内されたライセンス講習に参加し、その時期の補助事業でドローンを導入した。一年目はうまくいかないことが多かったが、試行錯誤や業者との情報共有を重ねながらうまく機能しだした。「作業面でのメリットはもちろんありますが、なにより面白いじゃないですか!」と笑う。
さらに、デジタル技術が農業の課題である人手不足を解消する一手になりうる、と近藤さんは手応えを感じている。「ドローンの航路を設定しておけば基本的に自動飛行なので、その間に他の作業ができます。また、畑の状態に左右されずに作業ができるので、スケジュールが立てやすいのもメリットですね。」さらに、不測の事態にもデジタル技術が活きる。「例えば、家主が体調を崩した場合にトラクターの自動操舵を使えば、代わりの人員でも充分に作業できます。」
デジタル技術の発展は近年著しい。だからこそ大切にしていることがある。「最新の技術に頼り切りはよくないですね。これまでのいい部分は使いつつ、試せる範囲で導入するのが良いのかなと。新しいものに取り組むことをプラスに捉えるのが何より大事だと思います。」さらに続ける。「せっかく活用できるものがあるのに、知る機会がないのはもったいない。だから、視野を広く持って情報へのアンテナは高く持ちたいし、自分も情報発信していきたいです。」近藤さんの目は農業全体の明るい未来を見据えている。

◆Case2 教育[education]×デジタル[digital]
東陽小学校
菅原 浩人(すがわら ひろひと)校長
北見市出身。1966年生。釧路市の大学を卒業後、教員となる。北見西小学校の教頭から2022年6月に校長として東陽小学校に着任。

松井 太(まつい だい)主幹教諭
東京都出身。1979年生。東京都の大学を卒業後、北海道で教員となる。3年前に知床ウトロ学校から東陽小に着任。現在は5、6年生の理科を教える。

『無理なく着実に デジタル・アナログ両方活かして』

東陽小学校の授業中。慣れた手つきでタブレット端末に授業の振り返りを入力する子ども達。彼らにとって日常の一部として馴染みつつある。
現在、東陽小では授業や家庭学習で電子黒板・端末の活用を行っている。家庭学習ではドリル型の教材『eライブラリー』を活用。「解いてすぐに自動採点が行われ、理解度が低い部分を中心に問題を組み立ててくれます。つまずくポイントは人それぞれなので、個別で学習を深められるのはメリットだと思います。」と語るのは松井太教諭。授業では各端末の画面を電子黒板に共有し、互いの考えを参考にすることで、児童たちは自分の思考を深めている。
菅原浩人校長は現状を冷静に分析する。「今はいろんなことにトライしている段階ですね。まだわからないことも多いですから。職員室でも年齢関係なくお互いに教えあっています。」また、松井教諭らが中心となって教員へのミニ研修会を開いている。「松井先生は優しいんですよ。初歩的な部分から丁寧に教えてくれる。教師も児童も無理なくデジタル技術を活用するために、わからないことを互いに聞きやすい環境づくりも大切になると思います。」
しかし、デジタル一辺倒になってはいけないと松井教諭は語る。「もちろん、デジタルは万能ではないと思います。書いたりじっくり読む技術はこれからも必要になると思いますし、どんな風に活用できるかを考えて少しずつ試すのがいいかなと思っています。」菅原校長は児童の未来への思いを語る。「アナログ・デジタル両方良さがありますが、今の子どもが大人になる頃には、PCなどを使いこなすのが当たり前になるでしょう。なので、小中学で使いこなせるようにして送り出してあげたい、と考えています。」デジタル社会を生き抜くため、少しずつ、教育の形も変わってきているのかもしれない。

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