(商工業)
エネルギー価格等の物価高騰の影響をはじめ、消費流通形態の変化や個人消費の縮小などによる地域内経済の低迷とともに、事業主の高齢化や後継者不足など、商工業を取り巻く様々な課題が顕在化しています。
引き続き、苫前町商工会との連携を図りながら、商店街元気づくり事業における店舗等の新築・増改築支援や先端設備導入支援、利子補給事業による中小企業の経営基盤強化、6次産業化を促進する苫前ブランドの確立のための新商品開発支援を継続するとともに、消費の下支えを兼ね、昨年同様にプレミアム地域振興券発行事業を拡充し、商工業の振興を図ってまいります。
更には地域経済の活性化のため、企業等立地促進条例に基づき、今後も幅広い制度PRや企業誘致活動を展開してまいります。
(観光)
本町の観光振興の拠点である新日本海地域交流センター「とままえ温泉ふわっと」については、老朽化した設備の更新とともに、一部客室の個室化やレストラン機能の充実など、温泉効能を一段と楽しめる施設として全面改修を果たし、順調に営業を再開したところであります。
また、道の駅機能においても、子育て応援設備の充実により、誰もが安全・安心に利用できる施設運営に努め、24時間トイレを含む新たな物販棟では、地場産品を中心に品揃えを充実するとともに、苫前の魅力を内外に発信しています。
更には、周辺道路や駐車場の拡幅整備により、利用者の利便性を高めるとともに、防災拠点としての機能強化を図っているところであります。
引き続き、オートキャンプ場やホワイトビーチ、未来港公園といった周辺施設をはじめ、三毛別羆事件復元地や郷土資料館などの町内観光資源との連動を図るとともに、本町最大のイベントである北海道風車まつりや、近隣市町村との連携によるサイクルツーリズムの振興など、滞在型観光の促進による交流人口の増加と地域経済の活性化に努めてまいります。
(風力発電事業)
国内初のリプレース事業となった苫前夕陽ヶ丘風力発電所「風来望」は、運転開始から4年が経過し、順調に稼働しているところであります。令和6年1月からは、FIT制度からFIP制度に移行しての売電を開始し、再生可能エネルギーの地産地消の実現に向けた取組を進めています。
また、上平地区の民間企業2社についてもリプレース事業が進められてきたところですが、13基の大型風力発電機が令和5年10月に運転を開始し、順調に稼働をしているところであります。
しかしながら風力発電は、本町をはじめとした導入適地に送電網整備が進まず、貴重な地域資源を有効に活用することができておりません。今後も、更なる風力発電の推進に向けて、国や道に対して送電網整備の要望を行うとともに、関係市町村や風力発電事業者と綿密な連携を図ってまいります。
(雇用対策)
各地域で人流の回復が進むにつれ、様々な産業分野において人手不足感が強まっており、労働力の確保は、事業継続の足枷とも言える喫緊の課題であります。
本町においては、苫前町高齢者事業団の活用や、外国人技能実習生の受入れ、建設業と農業間での労働力調整などにより、労働力の確保に取り組むとともに、地域貢献活動として町職員が営利企業等に従事する仕組みも設けたところであります。
更には、雇用促進にも資するよう、若年者雇用促進助成金の交付や、従業者用共同住宅の整備支援を継続するとともに、各産業団体等で構成する苫前町雇用対策協議会でのご意見なども踏まえながら、全町的な雇用対策が推進されるよう取り組んでまいります。
2【地方創生及び脱炭素社会・デジタル社会の実現に向けて】
2点目は、「地方創生及び脱炭素社会・デジタル社会の実現に向けて」であります。人口減少を克服し、地域経済を活性化するという地方創生の理念を踏まえつつ、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)といった経済や社会の変革の流れを的確に捉え、持続可能なまちづくりの実現を目指してまいります。
(地方創生)
地方創生について、国は「デジタル田園都市国家構想」などにより、更にデジタル技術を活用して推進していくことを目指しています。
本町においても、地方への人の流れを実現するべく、ローカルベンチャーの創出や、ふるさと苫前をキーワードにした関係人口の拡大、地場産品の更なる魅力化など、デジタル田園都市国家構想交付金を活用した取組を継続してまいりますとともに、地域おこし協力隊制度なども活用し、若者が活躍する持続可能なまちづくりと地域経済の活性化を目指してまいります。
(地域脱炭素)
昨年6月、北海道ガス株式会社と包括連携協定を締結し、「再生可能エネルギーの地産地消」について、協議、検討を重ねてまいりましたが、この4月から、町営「苫前夕陽ヶ丘風力発電所」で発電した電気を、役場庁舎・公民館・とままえ温泉ふわっと・各小中学校へと供給することが可能となり、本町の脱炭素化が大きく前進することとなります。
引き続き、産業分野における再エネの利活用を検討し、再エネ由来による苫前ブランドの高付加価値化など、町民の生活がより豊かなものとなるよう、町民の皆様との対話を重視しながら、脱炭素の取組を推進してまいります。また、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、令和5年度から2か年の計画で実施する町有林人工造林工事における広葉樹林への転換や、苫前漁港港内におけるウニ蓄養のための餌料用コンブの養殖などのブルーカーボンの取組をはじめ、苫前漁港荷捌所の雪氷熱システムについても、鮮度保持機能を更に改善するなど町内における再生可能エネルギーの地産地消の拡充を進めてまいります。
(自治体DX)
現在、国は、「自治体DX推進計画」において行政サービス等へのデジタル技術の活用や基幹業務システムの標準化・共通化を推進しており、これまで以上に自治体におけるセキュリティ対策の徹底が求められています。
本町においても、最新のセキュリティ対策を導入し、より頑強なネットワーク体制を構築することで、デジタル化を推進するための土台となる新たな庁内ネットワーク環境の整備に取り組んでまいります。
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