文字サイズ
自治体の皆さまへ

できることから始めよう! みんなで取り組む「SDGs」vol.6

9/40

北海道音更町

町は、令和4年7月30日(土)に、慶應義塾大学大学院特任助教の高木超(こすも)さんによるSDGs講演会「みんなで進めよう!SDGs」を総合福祉センターで開催しました。その内容をもとに、SDGsについてQandA形式で広報おとふけ11月号から全6回にわたり紹介しています。最終回である第6回目は、日本のSDGsへの取り組みの評価と音更町のSDGs推進へのアドバイスです。

■日本のSDGsへの取り組みは世界的にはどのようなレベルにありますか?
国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が令和4年に発表した日本のSDGsの達成度は163カ国中19位です。前年の18位から順位は下がっています。
また、ゴール別の評価は次のとおりで、最も低い評価である「深刻な課題がある」に位置付けられた目標が6つあります。

◇「達成済み」ゴール…4、9、16
ゴール4「質の高い教育をみんなに」とゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、ゴール16「平和と公正をすべての人に」は、高いレベルで実現していると評価されています。
ただし、年々どのように変化しているかに注意が必要です。現時点で達成済みであっても、常に改善していかなければ、課題のある状況になってしまう可能性もあります。
また、平和と公正については、テロや紛争、戦争など世界的な課題に対する取り組みも求められます。

◇「課題が残る」ゴール…1、3、6、8、11
ゴール1「貧困をなくそう」、ゴール3「すべての人に健康と福祉を」、ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」、ゴール8「働きがいも経済成長も」、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」は課題が残ると評価されています。特に母子家庭や子どもの貧困、高齢化に伴う健康や福祉の問題は、今の日本にとって最も重要な課題と言えます。
また、安全な水とトイレの確保については、日本では罹災時のライフラインの保全や水道管の老朽化の問題が考えられています。現在、基幹的な水道管のうち、耐震性のある管路の割合は、全国平均で40.3%にとどまっています。

◇「重要な課題がある」ゴール…2、7、10
ゴール2「飢餓をゼロに」、ゴール7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、ゴール10「人や国の不平等をなくそう」は、重要な課題があるとされています。
食料やエネルギーの自給率が低い中で、いかに安定的に確保していくか重大な課題です。
特にエネルギーでは、現在の主要なエネルギー源である化石燃料の利用は地球温暖化を進めてしまう上、国内産出はほとんどなく、原子力発電の事故時のリスク、まだ低水準にある再生可能エネルギーなど、課題は山積しています。
また、さまざまな格差・不平等にどう対応していくかも大きな課題です。

◇「深刻な課題がある」ゴール…5、12、13、14、15、17
ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」、ゴール12「つくる責任つかう責任」、ゴール13「気象変動に具体的な対策を」、ゴール14「海の豊かさを守ろう」、ゴール15「陸の豊かさも守ろう」、ゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」は深刻な課題があるとの評価です。
環境問題は総じて深刻な課題があるとされています。ジェンダー平等も最低の評価で、令和4年のジェンダーギャップ指数では、日本の順位は146カ国中116位でした。自治体レベルでは町内会などの地縁的組織の加入率の低下はパートナーシップの問題と考えていいでしょう。

■音更町のSDGsの推進についてアドバイスはありますか?
音更町は総合計画にSDGsの推進を取り入れていますが、次の3点を意識して取り組むといいかと思います。

1 進み具合の見える化で行動を加速する
近年、行政にEBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング…証拠に基づく政策立案)が求められる中で、その成果もできるだけ数値で把握する、つまり、見える化することが必要です。総合計画の最終年である令和12年の目標実現に向けて、設定した数値指標の達成度をみんなで把握し、達成を自分ごととすることが、目標の実現に向けた第一歩になります。

2 成果を国内外に共有し、新たな機会を得る
世界共通の言語というSDGsの特徴を生かし、うまくいったこと、場合によっては、うまくいかなかったことも積極的に開示し、それをみんなが共有すること(横展開)で、全体としてゴールに近づくスピードを上げることができ、それが新たな取り組みの機会を生み出すことにつながります。

3 若者の力も結集し、これまでの常識を超える
SDGsの達成・未達成の影響を最も受けるのは若者や将来の世代です。みんなが当事者意識を持つこと、SDGsを自分ごととして捉えることが大事なほか、ジェンダーバランスだけでなく、世代間のバランスを考え、若者が意思決定に参画することが大切であり、そうした環境を行政も整えていく必要があります。
SDGsは一人でできることもありますが、SDGsの達成にはみんなが連携・協働して取り組むことが不可欠です。
また、誰かが行動しないと変化は起こりません。一人一人がその誰かになっていくことが重要です。

問合先:役場企画課企画調整係
【電話】内線213

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU