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ひとこと190

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千葉県いすみ市

■市民の安心のための医療とは
いすみ市長 太田洋
平成9年に県庁の衛生部健康管理課に勤務していた当時、健康21千葉の作成が大きな課題でした。当時から千葉県では医療がひっ迫し成人病も増加傾向であり、特に郡部においては国保病院のあり方が問われていました。国保病院が地方において医療や健康づくりに果たしてきた役割は大きいと考えます。特に結核は人々を苦しめた感染症で全国各地の国保病院に結核病棟が併設され、国保病院は地域医療を担ってきました。
時は平成、令和と移り、医療の高度化とともに医療の専門化が進み、地方の国保病院は医師や看護師不足にみまわれています。特に地方の人口減少が進む地域は二十年後の医療を考えると相当厳しいものがあります。人材は都会に集まり、地方は空洞化しつつあります。今、医療はチーム制が多く、チームでの医師の確保が必要となってきました。急速に進む老いの社会では、今後さらに、医療、介護は重要なものとなります。身近な地域に病院があり、病院と診療所が連携して医療を受け持ち、訪問診療や訪問看護で支えていくことが必要になります。地方に医療人材が定着する仕組みを考えなければなりません。
人は必ず老いを迎えます。その時、必要とする人に医療、介護、福祉の面から支えられる地域の実現が求められています。厳しい生活の中で、安心して医療、介護、施設を利用できる環境をつくることが、人生100年時代と胸を張って言うことができるのではないでしょうか。今後、医師も余る時が来るという話も聞きますが、全国一様に医師が余るかは疑問です。
また、人口が減少し担い手不足の時代となりつつある今、その一例として、夷隅地域には産科医療が無くなってしまいました。これは、人口減少によって赤ちゃんの誕生が少なく採算がとれないことが最大の原因であります。これからは将来を見据えて大きな圏域で行政施策を考えることが大切であると思います。

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