■ゼロカーボンを推進 国の脱炭素先行地域に選定
市では、脱炭素社会の実現に向けて、国の事業「脱炭素先行地域」への計画提案を行い、11月7日にその計画が選定されました。
今後は、同計画に基づいて先行地域(豊和・春海地区、飯倉地区、中央地区)での脱炭素化の実現と地域課題の解決を推進していきます。計画の概要についてお知らせします。
◆[計画概要]そうさ!匝瑳モデルで脱炭素! ソーラーシェアリングを中心とした脱炭素化推進プロジェクト
▽取り組みの全体像
・市の主要産業である稲作農家が集積し、従来から畑作営農型ソーラーシェアリングが導入されている豊和・春海地区での水田営農型ソーラーシェアリングの導入などによる、脱炭素化の実現を目指します。
・福祉・医療施設などを中核に「生涯活躍のまち」づくりを進める飯倉地区、市役所などの公共施設や商業施設が集積する中央地区(八日市場ロ・ハ)と連携した農福・防災連携の取り組みにより、高齢者の雇用確保や市街地でのレジリエンス(耐久性・回復力)の強化を図ります。
・営農型ソーラーシェアリングの研究・人材育成を行うソーラーシェアリング・アカデミー事業を実施し、農業振興による関係・交流人口増加と移住・定住の促進を目指します。
▽電力の脱炭素化に関する主な取り組み
(1)独自の細型パネルを採用し、水田に営農型ソーラーシェアリングを導入。
(2)水田営農型ソーラーシェアリングで発電した電力を先行地域内の高圧需要家に供給。
(3)住宅・民間施設などに太陽光発電・蓄電池を導入。
※ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農地に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みです。
▽電力以外の脱炭素化に関する主な取り組み
(1)米ぬかから製造される米油由来のバイオ燃料プラントを豊和・春海地区に導入し、製造された燃料を地域の農業機械に利用することにより軽油利用を軽減。
(2)市内の植木業者から排出される剪定(せんてい)枝を燃料として活用するバイオマスボイラーを導入し、避難所となる公共施設に熱供給を実施。
(3)植木剪定枝や放置竹林の竹などからバイオ炭を製造し、市内の田畑に散布し土壌改良剤として活用。
(4)水田の給水時期調整により、中干し期間を延長しメタンガス発生を抑制。
◆脱炭素先行地域とは
脱炭素先行地域とは、2050年の脱炭素社会実現に向け、家庭や職場などでの電力消費に伴うCO2排出量の実質ゼロを実現し、それ以外の温室効果ガス排出量についても、国の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域として、地方自治体が計画を提案し、国が選定するものです。
国では、この脱炭素先行地域について2025年度までに100カ所程度の地域を選定していく予定としており、令和4年度から現在まで4回の計画選定を行い、全国で74の提案が選定されています。本市は、千葉県で、千葉市に次いで2番目の選定となりました。
脱炭素先行地域に選定されると、国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(脱炭素先行地域づくり事業)などの対象となります。
◆本市の計画
本市の計画名は「そうさ!匝瑳モデルで脱炭素! ソーラーシェアリングを中心とした脱炭素化推進プロジェクト」。本市の主要産業である農業や、本市の特色である「生涯活躍のまち」から脱炭素の取り組みを実行する計画となっています(=上図計画概要)。
◆官民協働で計画作成
本計画の作成に当たっては、本市のゼロカーボンシティ宣言の後、本市の脱炭素先行地域選定を目指す民間有志が「ゼロカーボン匝瑳推進協議会」を設立し、同協議会と市との協働で計画を策定しました。
また、計画では、同協議会のメンバーに加え、匝瑳市植木組合、匝瑳市商工会、八日市場金融団、大利根土地改良区など18の法人、団体が共同提案者となっています。
計画の実行に当たっては、官民一体となって実施していくこととなっています。
脱炭素先行地域「匝瑳市」。2050年脱炭素社会の実現に向け、皆さんのご協力をお願いします。
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