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蓮華寺の堂 大浦を歩く~匝瑳探訪 No.208

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千葉県匝瑳市

日本最古の即身仏(そくしんぶつ)(僧侶のミイラ)弘智法印ゆかりの寺として知られる大浦・蓮華寺。寺の関係者から新たな資料が見つかったと連絡があり、拝見できました。
蓮華寺境内には2001(平成13)年に完成した本堂、その左側に薬師堂、堂の手前に弘智堂があります。薬師堂修理の際、数点の棟札(むなふだ)と墨書(ぼくしょ)が発見されました。
資料の中で注目したのは、阿弥陀堂が1692(元禄5)年3月15日に完成したと書かれた棟札です。想像を膨らますと、平成の新築本堂の以前の建物がこの阿弥陀堂ではなかったかと考えられます。
棟札正面から、阿弥陀堂の大工が飯高村谷中長兵衛、入仏導師を米倉・西光寺住職が務め、大浦村堀ノ内集落の名主江波戸平左衛門、宮和田集落の名主権右衛門と門徒寺の宝泉院、地蔵院などが高額寄付をしたことを知ることができます。
裏面には、堀ノ内旦方(だんかた)(檀家)が米15俵、宮和田旦方が10俵を、檀家160人ほどの寄進があったことが書かれています。
もう1枚の棟札には、1651(慶安4)年11月に阿弥陀三尊の修理を江戸の仏師に依頼し、松山村の大工による像を納める宮殿(くうでん)とも完成したことが書かれています。
また、東総四十九薬師霊場の「第四十六番札所」とされる蓮華寺の薬師堂についても堂内須弥壇(しゅみだん)の下段内部で墨書が見つかったことで、1735(享保20)年9月、大工・長岡村佐五兵衛により建てられたことが分かりました。
蓮華寺にはこの他、1785(天明5)年に下総国香取、海上、匝瑳、山武の4郡を四国になぞらえ始まった「新四国八十八箇所霊場」巡りの八十四番札所と刻まれた門柱、1864(元治元)年にまつられた「子助け弘法」、江戸時代後期の出羽三山供養塔など多様な石造物があり、興味が尽きない寺院です。
(市文化財審議会委員・依知川雅一)

問合せ:秘書課広報広聴班
【電話】73-0080

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