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南房総市の民話

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千葉県南房総市

■「合戸(ごうど)の千歳松(ちとせまつ)」第206話 生稲謹爾(いくいなきんじ)
旧岩井町の合戸字丁田(あざ一いっちょうだ)の竹やぶに、『千歳松』と刻まれた石碑が建っており、ここに大正時代まで、千歳松と呼ぶクロマツの大樹が生えていました。
千歳松の碑文は次のとおりです。
『千歳松今當(ちとせまついまあたる)ニ樹齢(じゅれい)約一千五百年、周圓二丈六尺(しゅうえんにじょうろくしゃく)(7、8メートル)、其幹(そのみき)の簇出(ぞくしゅつ)(むらがり)セル風格頗(ふうかくすこぶ)る優秀ニシテ、其名各州ニ顕(あらわ)レ、伏姫(ふせひめ)ノ古蹟(こせき)(富山の伏姫の窟)ヲ探ル者、常ニ之ヲ観ルヲ楽シミガ、大正九年(一九二〇)十月俄然(にわかに)東南ノ一枝裂倒セリ、区民大ニ驚キ郡衙(ぐんが)(郡役所)ニ状ヲ具シ、技手(ぎし)ノ派出ヲ請(こ)ヒ適応ノ処置ヲ施スト共ニ、將来其保護ヲ全ウシ、永ク霊域ノ荒廃ヲ防ガントス、茲(ここ)ニ其梗概(そのこうがい)(あらまし)ヲ叙スト云爾(うんじ)(しかいう)。
大正十年(一九二一)二月十一日 建』
この地に生えていた千歳松の大樹が消えたのは、大正十二年(一九二三)九月一日に発生した関東大震災後の、木材不足の折に、合戸区が話し合いで伐採し、売却したことによるといわれています。

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