■市指定無形民俗文化財
『神酒造(みきづく)り神事(しんじ)』
所在地:沓見(くつみ)241(丸山地区)
伝承者:莫越山神社(なこしやまじんじゃ)
□全国的に珍しいお神酒をつくる神事
沓見にある莫越山神社では、毎年9月中旬に館山市の鶴谷八幡宮(つるがやはちまんぐう)で行われる安房国司祭(あわこくしさい)(安房やわたんまち)に合わせ、「神酒造り神事」と呼ばれる清酒(せいしゅ)を醸造(じょうぞう)する神事が行われています。
神酒造りは神社に隣接する宮司宅で、宮司と神社役員により、8月の上旬から始められ、酒母(しゅぼ)(酒のもとになる酵母(こうぼ))をつくる「酛立(もとたて)」や、酒母に蒸(む)し米・米麹(こめこうじ)・水を加えて醪(もろみ)を仕込む「掛(かけ)」などの工程を経て、ひと月以上かけて醸造されます。そして、安房やわたんまちの2日前に、熟成した醪から清酒の絞り出しが行われます。酒船(さかふね)という道具で丸一日かけて絞り出された清酒は、国税庁の検査を受けたあと、30本以上の一升瓶(いっしょうびん)に詰められます。完成した清酒は、鶴谷八幡宮に奉納されるほか、同祭礼に参加する莫越山神社の神輿(みこし)の担ぎ手などに振舞われます。
神社での清酒醸造は、かつて全国各地で行われていたといいますが、明治8年(1875)に国の許可が必要になって以降、多くが廃止されました。現在、醸造の免許を所持している神社は、莫越山神社を含めて全国に4社しかありません。
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