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ふるさと探訪 タイムスリップ・インザイ【No.12】

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千葉県印西市

■龍腹寺(りゅうふくじ)-雨を降らせた印旛沼の竜神様-
本埜地区の竜腹寺という集落にある龍腹寺は、大同(だいどう)2(807)年に創建し、当初は慈雲山勝光院延命寺と号していましたが、延喜(えんぎ)17(917)年に龍腹寺と改号したと伝わっています。一帯には僧坊が二十五坊あったといわれ、嘉吉(かきつ)2(1442)年に千葉胤直(ちばたねなお)によって宝塔五重塔が建立されたと伝わり、その鋳銅棟札(ちゅうどうむなふだ)に寺号が見えます。永正(えいしょう)4(1507)年8月19日の合戦により諸堂が焼失し、天文(てんぶん)19(1550)年に現在の地に移りました。境内には本堂、地蔵堂、仁王門、県指定有形文化財に指定されている南北朝時代の釣り鐘などがあります。
寺号にまつわる次のような伝説があります。昔、印旛沼の周辺が干ばつに見舞われたとき、印旛沼の主であった竜が村人たちのために雨を降らせました。ところが、降雨をつかさどる竜王の許しを得ないで雨を降らせたことが竜王の怒りに触れ、竜は身を3つに切り裂かれ地上に落ちました。そこで村人たちは、命を投げ出してくれた竜を懇ろに葬り冥福を祈るために、角(つの)が付いた頭が落ちた所は龍角寺(りゅうかくじ)(栄町)、腹が落ちた所は龍腹寺(印西市)、尾が落ちた所は龍尾寺(りゅうびじ)(匝瑳市)と寺号を改めたということです。
他の地にも同様の伝説があり、雨乞いと竜神を関連付け、雨乞いに尽力した僧の業績や寺院の縁起につながっています。これは仏教の教えを民衆が受け入れやすいように、竜神伝説に結び付けて説明したためだと考えられています。

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