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子育てコラム〈シリーズNO.56〉

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千葉県山武市

■「子どもの心に寄り添った子育てを」
家庭教育指導員 植草 年子
子育ては、これでいいのかと不安になることもあるのではないでしょうか。思うようにはいかないこともあります。いくつかの相談を受けている中で私の感じたことをお伝えします。

〈親の願いと子どもの気持ち〉
親の願いは子どもの幸せです。親は子どもの成長と共に、だんだん要求が高くなっていきがちです。他人と比較して小言も言いたくなります。比較されて育つと自己肯定感が低くなります。自分を大切に思い、自信がもてるよう、本人の良さを認めてあげましょう。
そして子どものために、よかれと思ってやっていることが、時には子どもにとっては負担になることもあります。成長してきたら、あれこれ指示せず、見守る姿勢も大事です。子どもは親と別の人格であることを時には意識しましょう。

〈子どもは挫折しながら成長している〉
子育て中には、いつ何が起きるかわかりません。子どもは日々成長しています。成長の過程ではうまくいくことばかりではありません。むしろ、思いどおりにいかないことの方が多いでしょう。子どもは、学校では友達や先生と関わり、行動範囲も少しずつ広がっていく中で、友達と喧嘩したり、失敗したりいろいろな経験を積むことによって成長していきます。

〈失敗から学んでいく〉
子どもは、間違ったり失敗したりするものです。教えたとおり、言ったとおりに一回でできるはずがないと考えましょう。大人は自分も失敗しながら大きくなったことを忘れてしまいがちです。私自身、たくさんの失敗をしながら大人になりました。失敗から学ぶこともたくさんあります。時には親の失敗談を話してあげるのもよいでしょう。子どもは、親も失敗しながら大きくなったのだと安心します。

〈子どもが悩んでいる時〉
例えば、友達関係の悩み…。
子ども同士のトラブルは起こりがちで親も心配です。まず、子どもの話をじっくり聞き(じっくりと聞くというのは、子どもの話に口を挟まず最後まで黙って聞くということです)、子どもがどうしたいのかを聞いてあげましょう。
大切なことは、子どもに寄り添ってあげることです。子どもの気持ちをくむこと、子どもの気持ちをしっかり受け止めることです。例えば、「大変だったんだね」「つらかったんだね」「悲しかったんだね」などの言葉かけをするのもよいでしょう。言葉が見つからなければ、そっと抱きしめてあげましょう。しかし、子どもだけでは解決できないと思われることは、ためらわず学校や相談機関に相談しましょう。

〈物があふれる中での我慢〉
私たちの生活はこの半世紀で、ものすごいスピードで変わっています。物があふれ、欲しいものは翌日届く、便利で快適な時代です。
そんな中で、子どもに我慢させることが難しくなってきました。「みんなが持ってるから…」こう言われた時、「うちだけ厳しくしてもかわいそう?」「我慢させる?」と悩んでしまうこともあります。子どもの発達段階によっても対応は変わってくると思います。どうするのがいいか子どもと一緒に考えてみると案外、子どもなりの結論をだすものです。

〈どんな時も〉
子どもの声を聞くということは甘やかすわけではありません。子どもの気持ちに寄り添うことで子どもは、親が自分の一番の理解者であると感じます。心を開けば、親の思いも伝わります。子どもの幸せを願う親の愛情は、形で表さなくても必ず伝わります。親の後ろ姿を見ながら子どもは育っていくと言われます。
子どもの声に耳を傾けながら子どもの成長を見守りましょう。そして親は、どんな時も子どもを一番近くで応援する人でありたいものです。

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