■香取市地域おこし協力隊1年生を振り返る
◇一歩一歩
私は、今年度から(有)さかきの露地野菜部門に所属しています。作業は、定植や収穫から袋詰めまで多岐にわたりますが、すべての作業がいかに重要であるかを日々痛感しています。
現在、市内にはいたる所に耕作放棄地があり、その多くが担い手不足や高齢化という課題を抱えています。
解決には就農者の省力化が必要不可欠ですが、例えば個人生産者で規模を拡大したい場合に、時間や労力を費やすことに効率性が求められます。医療や物流でも以前から導入されている遠隔技術や衛星を活用して耕地畑の管理や、小動物の被害を防ぐセキュリティーとしての役割などが一次産業においての減災として貢献することができるのではないかと考えています。
◇変わらないことの意味
しかし、それは本当に香取市で就農したと言えるのでしょうか。「生まれながらこの土地で生活をしていた者として目に焼き付ける情景は変えたくない」。そんな声を聞いた時に、変えるべきこととそうではないことを分ける必要があると思いました。
最新技術を導入することで開ける世界はあるかもしれません。しかし、目で見て肌で感じることが農業においていかに重要であるかを感じています。
◇ニンジン片手にぶらり
私は兼ねてからニンジンを栽培したいという想いがありました。さまざまな生活スタイルが混在する昨今、小腹を満たすための軽食でニンジンを片手に街を歩くような光景。そんなニンジンを栽培することが生涯の目標でもあります。
最新技術、変わらぬ情景。その両立が新たな課題であるとも感じています。省力化を図りながらも、変わらぬ情景を大切に継承していく。そんな香取市の未来の農業を、これからも考えていきます。
writer:稲葉 真希
ホテルや百貨店勤務をしていた頃、生産者との商談をきっかけに農業の世界へ。誰でも気軽に食べられる作物の生産を目指し、就農へ向けて奮闘中!
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