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市民のひろば「香取遺産」

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千葉県香取市

■vol.204 香取神宮に伝来する八龍神像(はちりゅうじんぞう)
八龍神像は江戸時代まで香取神宮で行われていた八龍神信仰を伝える木造の神像で、像高90cm前後の像が8体揃っています。類例が少なく、それぞれの名称や性格なども、今のところよく分かっていません。
各像の構造や作風から、No.1、2と、No.3~8の二つのグループに分けられます。前者は、主要体幹部を二材で合わせた寄木造りで、内刳(うちぐり)を施しています。正統な仏師(ぶっし)による江戸時代の作と考えられます。後者は一木造(いちぼくつくり)で、髪から足底までの主要体幹部を一材から彫り出しています。現状の漆塗りの下に、さらに漆塗り、彩色が確認できること、部分的に布張り補修が施されていることなどから、前者よりも古い造像と考えられます。元禄13(1700)年の香取神宮の記録から、この時新調された2体と修復された6体と推定されます。
中世以前の神幸祭(じんこうさい)に関する資料に香取神宮神幸祭絵巻があります。神宮から津宮へ向かう行列の様子が、先頭の一御船木(みふなぎ)に続き、八龍神の持楯(もちたて)・二御船木と順に描かれています。神幸祭は水上交通と深く関わりのある重要な神事で、先頭近くに位置する八龍神には水神として祭典を守護する役割があったと考えられます。また、江戸時代以前の八龍神像は楼門や正殿の大床に安置されるなど、境内においても重要な役割を果たしてきたようですが、明治期の祭祀(さいし)の改変によりその位置付けがなくなり、その後神庫(しんこ)に移されました。

問合せ:生涯学習課
【電話】50-1224

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