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地域活動応援日誌 Day.19

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和歌山県那智勝浦町

■空き家の維持管理を地域主導で模索
集落支援員 大西 俊介

色川地区では、昨年度に取り組んだ総務省事業において、空き家の修繕改修による「お試し住宅」の整備を行なった。整備は、南平野地区と口色川地区の2地区で実施され、講習会形式を取り入れる、運用は地区に委ねるなど、地域主導で工夫を凝らした空き家活用の取り組みとなった。そして今年度より2軒の空き家が「お試し住宅」として新たな活用をスタートさせた。
かねてより過疎化と高齢化により地区内の空き家数は増加を続け、その維持管理、そして「継承」をどのようにしていけば良いのかは地域の大きな課題であった。40数年前から移住者を受け入れる取り組みを行なっているが、地区人口は依然として微減傾向が続いており、空き家に関する課題はますますその深刻さを増している状況である。
そのような中、行政や外部機関との連携もより一層重要になってきている。県や町でも移住促進や空き家・農地の維持管理に対する補助が行われており、地域にとっては非常に力強いバックアップとなっている。また和歌山大学との連携では、「住まいの状況調査」を実施し、住まいのデータベース化を行うとともに空き家の「住み替え」の遍歴をまとめるなど、調査を中心としたソフト面での連携がなされている。
一方、色川地区では空き家の維持管理の仕組み・体制づくりについて継続的な話し合いを続けている。現在は特定利用目的の基金を設立し、空き家管理のモデル的実施についての模索をしている。すぐに成果が現れるような取り組みではないが、先進事例に学ぶなど地域主導で活動が展開され始めている。
このように色川地区の様々な活動や取り組みの特徴は「地域主導」という色合いが強いという事が挙げられる。自分たちの暮らす地域をどうしたいのか、どのように「継承」していくのかは、非常に大きな課題である。それでも前向きに模索を続けている地域は、心なしか力強く頼もしい雰囲気に満ちているように感じる。

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