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自治体の皆さまへ

≪特集≫知って 備える 認知症(2)

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埼玉県ふじみ野市

◆軽度認知障害(MCI)を知ってますか?
軽度認知障害(MCI)とは、健常な状態と認知症の中間の状態を言います。記憶力や注意力などの認知機能の低下がみられるものの、日常生活に支障がでるほどではない状態です。
全国のMCIの有病率推定値は13%(約400万人)と推計されています。「認知症の前段階」とも言われ、年間約10~30%の人がアルツハイマー型認知症へ進行してしまいます。
MCIになると必ず認知症になってしまうわけではなく、適切な予防をすることで健常な状態に戻る可能性があります。対策や治療は早期であるほど効果が高いとされているので、本人はもちろん、家族や周囲の人も変化に気付けるようにすることが大切です。
MCIセルフチェックをして、認知症を予防しましょう。

▽MCIを自分でチェック

▽チェック結果
・0~8点…正常
もの忘れも老化現象の範囲内。疲労やストレスによる場合もあります。8点に近かったら、日にちを開けて再チェックを。

・9~13点…要注意
数カ月単位で間隔を置いて再チェックを。認知症予防策を生活に取り入れてみたらいかかがでしょうか。

・14~20点…要診断
認知症の初期症状が出ている可能性があります。お近くの医療機関や高齢者あんしん相談センターへご相談ください。

◆認知症への備え─成年後見制度─
▽権利や暮らしを守る
認知症になってしまうと、自分でさまざまな判断ができなくなってしまい、詐欺などにあって財産や権利を侵されてしまう可能性があります。そんな権利や財産を守る制度が成年後見制度です。
認知症や知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が十分ではない人に代わって、財産の管理や日常生活上の手続きを行い、不利益を受けないようにします。成年後見人は家庭裁判所によって、親族や弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士などが選ばれます。成年後見人は、単に事務的な手続きを行うのみではなく、本人の意志を尊重し、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら支援を行います。

▽成年後見の種類
『法定後見制度』
認知症や知的障がいその他の精神上の障がいがあることが理由で、判断能力が低下した場合、家庭裁判所で手続きを行い、支援してくれる人(後見人など)を決める制度です。成年後見人などは、本人に代わって財産管理や介護サービス利用の契約などを行うことができ、本人の権利や財産を守るための活動を行います。

『任意後見制度』
将来に備えて、自ら後見人を選んでおくことができる制度です。物事の判断ができるうちに、あらかじめ自分が選んだ代理人に財産管理をお願いする契約を結び、判断能力が低下したときに支援を開始します。

▽成年後見制度を利用すると
・認知症の父親名義の銀行預金を入院費用に充てたいが、「本人の同意がないと引き出しはできない」と言われた。
→成年後見制度を利用すれば、後見人が本人に代わって預金を引き出すことができます。

・認知症の母親が、訪問販売で必要のない商品を次々と買ってしまう。
→後見人が判断して、本人に不利益な契約を取り消すことができます。

・自分が認知症になったときに備えて、財産の管理などをしてくれる人を決めておきたい。
→ご自身が元気なうちに任意後見人になってほしい人と契約を結ぶことによって、将来の不安を解消できます。

▽interview ふじみ野市で成年後見業務に取り組む行政書士の杉本佳久さんにお話を伺いました
杉本 佳久(すぎもと よしひさ)さん
すぎ法務行政書士事務所

-日常生活を支える
後見人は、認知症などにより判断能力が低下した人の日常生活を財産管理と身上保護という観点から支える役割を担います。人一人の生活を支えるのですから、仕事に切れ目はなく、土日も昼夜も問わず出来事が起こるのが特徴です。大変な面もある仕事ですが、なるべく自分だけで考えず、医療介護福祉関係やご近所の支援者など、ご本人を身近なところで支えてくださっている人の協力をいただきながら、ご本人の気持ちに寄り添い、ご本人の意思の尊重や個人の尊厳を大切にしながら取り組んでいます。

-自分らしく生きる
認知症になられた人と私たちとは、事実認識と意思決定に必要な支援の程度が少し異なるだけで「自分らしく生きる」ということの大切さについていえば、私たちと何も変わらないと思っています。可能な限り目線を合わせて、ゆっくりと分かりやすい言葉でお話をするように工夫はしますが、いわゆる健常者の方と対話する際と変わらない心の距離感を心がけています。
タイミングは人それぞれですが、認知症になり後見人がついて支援を始めたと聞くと、人生の最終章の寂しい印象を持たれるかもしれませんが、「後見人がついて良かったね」「見守ってもらえて安心だね」と思ってもらえるような社会になって欲しいと思っています。

◆まずは相談!ふじみ野市成年後見センター
ふじみ野市成年後見センターを市社会福祉協議会に設置しています。
場所:第3庁舎1階(福岡1・1・11)
受付時間:午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日、祝日、年末年始を除く)
【電話】049・265・3606

[主な業務内容]
○相談・支援(無料)
司法書士によるあんしん後見相談(専門職相談)や行政書士・社会福祉士無料相談会を実施しています(要予約)。

○市民後見人の養成・支援
高齢者や障がい者などを地域で見守り支える「市民後見人」を養成します。また、その活動を支援します。

○成年後見制度の広報・啓発
今年度は単身世帯高齢者向け終活講座を開催しています。出前講座なども実施しています。
※開催が決まり次第、市報や社会福祉協議会ホームページなどでお知らせします。

問合せ:高齢福祉課
【電話】049・262・9038

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