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特集 学校部活動and新たな地域クラブ活動

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埼玉県伊奈町

みなさんは、中学校の部活動の現状をご存じですか?昔は、やりたい部活動があったり、当たり前のように大会や試合に出られたりしたかもしれません。
しかし、現在、深刻な少子化に伴う生徒数・部活動の減少などにより、学校部活動をこれまでと同様の体制で運営することが難しくなっており、一部の学校部活動は存続が厳しい状況にあります。
これらの課題に対応するため、国は「学校部活動及び新たな地域クラブ活動」の方針を示し、全国市区町村に対し、段階的に新たな地域クラブ活動を導入するよう呼びかけています。これを踏まえ、伊奈町立の3中学校(伊奈・小針・南)でも同様に取組を進めていきます。
では、実際にどのような課題が中学校の部活動の現場に発生しているのか、どのような対応の動きがあるのかを見ていきましょう。

「新たな地域クラブ活動」とは…?
学校と地域とが連携・協働し、将来にわたり生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむことができる場として、学校外の地域の人が中心となって行う新たな形の地域クラブ活動です。

■現在の部活動、どのような課題があるの?
▽生徒数・部活動の減少
具体的には…
・部員数が足りず、大会・試合に出られない
・やりたい部活動が学校にない

▽生徒のニーズの多様化
具体的には…
・専門的な指導を受けたい
・いろいろなスポーツや文化・芸術系の活動をしてみたい

■Point!
町立3中学校(伊奈・小針・南)の生徒数の合計で考えてみると、5年後(現小学校4年生が中学校3年生になるとき)には、現在よりも約250人減少する見込みです。このままだと、多人数の団体部活動で部員数が不足してしまいます。

これらの課題に対応するのが、新たな地域クラブ活動です!

■実は県内自治体でも新たな地域クラブ活動を導入している自治体があります!
本紙2ページに挙げた課題に対応するため、実際に新たな地域クラブ活動を取り入れた県内自治体の事例を見てみましょう。この表からは、学校主体という枠にとらわれず、地域主体で多世代・多種目の活動を行っていることがわかります。

〇令和4年度白岡市・戸田市・上尾市のモデル事業の状況(伊奈町生涯学習課調べ)

新たな地域クラブ活動は、生徒や教員にとって多くのメリットがあります。一方で、導入には新たな課題も発生します。

▽新たな地域クラブ活動のメリット
・生徒が専門的な指導を受けることができます。
・生徒が取り組みたい種目の活動ができます。
・教員の異動などの影響を受けないで、継続的な指導を受けることができます。
・指導者である教員の負担が減り、授業の準備などの業務に専念できます。

▽新たな地域クラブ活動の課題
・指導者の確保
→人口の少ない自治体などでは、適切な指導者の成り手が不足することがあります。
・経済的負担
→地域団体に移行されると、自治体や保護者が活動費用を負担しなければならないことがあります。
・活動場所が遠くなる
→学区外での活動の場合、活動場所が遠くなり、生徒や保護者にとって負担となることがあります。

課題はありますが、生徒たちの成長の可能性を広げるうえで、メリットはとても大きなものとなります。

次では、新たな地域クラブ活動を導入したら、どのように現状が変わるのかを見ていきましょう。

■新たな地域クラブ活動でお悩み解決!
1.部活動存続の危機を脱出!
例)野球部
A中→5人
B中→4人
C中→3人
各学校ではチームを組めない。

3校合同:
合同で活動すればチームが作れる!
野球部に入れた

2.入りたい部活動に入れる!
例)バドミントン部
A中→ない
B中→ない
C中→ない
バドミントンをやりたいけど部活がない。

3校合同:
地域のクラブチームを母体に指導者を迎えて一緒に活動!
バドミントン部に入れた

3.専門的指導を受けられる!
例)剣道部
A中→競技経験のある教員がいない
B中→競技経験のある教員はいるが、指導できるほどの経験ではない
C中→競技経験のある教員はいないが、指導のできる部活動指導員はいる

3校合同:
C中の部活動指導員が指導する!
・競技経験・指導の実績!
・指導力のある人に教えてもらえる

■町立中学校の部活動の指導者になりませんか??
新たな地域クラブ活動を導入するにあたり、やはり大きな課題となるのは「指導者の不足」です。実際、町でも指導者の成り手が不足しています。
令和4年度に、地域のスポーツ少年団の指導者などを対象にアンケートを実施したところ、次のような結果となりました。

▼指導者の声を聞きました
Q1新たな地域クラブ活動が導入された場合、指導者として携わってみたいですか。
A1・はい25.5%・いいえ74.5%
▽いいえと答えた方の理由
・生徒の事故やけがが心配
・自身が高齢のためできないと思う

Q2:(前問ではいと答えた方にお聞きします)指導したい種目・競技を教えてください。
A2:野球…17人、バレーボール…5人、サッカー…4人、バドミントン・硬式テニス…各2人、陸上・バスケットボール・ソフトテニス・ソフトボール・空手道・グラウンドゴルフ…各1人
▽剣道・柔道・水泳などの指導者がいないのが現状です。経験者の方、指導者になりませんか?

Q3:これまでに小・中学生に指導した経験はありますか。
A3:・10年以上25.0%・1年以上10年未満25.0%・1年未満17.9%・経験なし32.1%
▽経験なしの方でも構いません!生徒たちに多様な活動の機会を提供できるよう、ご協力をお願いします。

指導者と聞くと、敷居が高いと感じるかもしれませんが、ご興味を持たれた方は、まずはご相談ください。
生徒たちの健やかな成長とスポーツ・文化芸術活動の充実を図るために、ぜひ、ご協力をお願いします。

町ではこれから検討委員会を設置し、伊奈町の実情に合う新たな地域クラブ活動の形について議論するとともに、モデルとして部活動指導員が行っている活動状況を調査したり、新たな地域クラブ活動の試行をしたりしていく予定です。ぜひ、ご協力をお願いします。

問合せ:
新たな地域クラブ活動に関すること…生涯学習課【内線】2541
学校部活動や部活動指導員に関すること…学校教育課【内線】2534

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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