■太平の世を願って
柏戸スポーツ公園の中心に立つ石像「太平力士」。大地を踏みしめ軍配を掲げる姿には、自然と共生し、太平の世が永続する願いが込められています。
1998(平成10)年、フジッコ株式会社が関東工場操業20周年を記念して旧北川辺町に贈った寄付金をきっかけに、町民の豊かな心を育む「文化振興」のモニュメントが制作されることになります。
構想を練る中で、旧北川辺町の偉人の石像を造る案が出ます。そのとき挙がったのが、旧柏戸村出身の幕内力士「初代柏戸」でした。そうして、力士をモデルとした作品が、石彫家の小野寺優元(ゆうげん)氏によって制作され、現在の場所に設置されました。
2000(平成12)年、県の事業で柏戸に造られた柏戸跨線橋(こせんきょう)には、相撲を取る初代柏戸をかたどった欄干(らんかん)や、軍配や土俵の吊り屋根のデザインを取り入れた街灯があります。これらには、橋が利用者に親しまれるようにという想いが込められています。
○初代柏戸(1738-1796)
本名は出井清次郎。19歳で初土俵を踏み、旧騎西町出身の初代伊勢ノ海に弟子入りする。故郷にちなみ「柏戸村右衛門」に改名し、四股名「柏戸」を使い始める。最高位は前頭三枚目。当時の相撲の興行主とされた勧進元(かんじんもと)を数多く務め、決まり手などのさまざまなルールを定めたことで、相撲が広く普及する基礎を築いたといわれている。
○柏戸跨線橋
東武日光線を越え、渡良瀬遊水地へと至る陸橋
※写真は広報紙3ページをご覧ください。
○柏戸スポーツ公園
住所:柏戸2019
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