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自治体の皆さまへ

特集 あなたを救うがん検診(2)

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埼玉県加須市

■医師会長に聞く
加須医師会 会長 本町福島クリニック院長 福島祐一先生

○がん検診の効果
がんは早期に見つけ、治療することが大切です。がんを早期に発見できれば、生存率が上がり、再発の可能性は下がります。早期発見であれば内視鏡手術で済むこともあり、体への負担が少なく、回復も早いので、入院も短期間で済みます。
がん検診は、継続して受けることも効果的です。例えば、比較的見つけにくい肺がんが、前年のx線写真と見比べて異常を見つけやすくなることもあります。また、1回だけの検査では精密検査が必要と診断されるケースでも、過去の経過から陰性判定として、精密検査の負担を減らすことができる場合もあります。
一方で、がん検診には、がんの大きさによっては発見できない、バリウムの誤えん、結果として異常がなくても精密検査でストレスを感じてしまうことなどもあり得ます。これらも理解した上で、検診を受けてほしいですね。

○がん検診受診率
市のがん検診受診率は、県内では比較的高くなっています。また、市のがん検診事業は、県内でも8位と高い評価を受けたと聞いています。国保(特定)健診と一緒に受けられるなど、受診しやすい体制としていることもその要因かと思います。
それでも、男性では3人に2人、女性では2人に1人が、がんにかかる時代であることを考えれば、もっと、がん検診の受診率を上げていく必要があります。加須医師会でも積極的な受診を呼びかけています。

○がん検診を受けていない方に
実際にがんにかかった患者さんには、その後、定期的に検診を受けるようになる方が多くいます。検診の大切さが分かるからです。「自覚症状がないから」「がんが見つかるのが怖い」といって、検診を受診しない人がいます。がんは自覚症状なく進みますし、怖い人こそ検診で確かめた方がよいのではないでしょうか。コロナ禍では、種類にもよるものの、がん検診の受診率は2~3割減少しました。そして、がんが進行した状態で発見される割合が増加したというデータもあります。
がん検診を怖いと思う方は、かかりつけ医を持つとよいですね。日頃から関係のできている医者がいれば、相談しやすくなり、検診への抵抗が減るのではないでしょうか。がん以外の病気の早期発見にも効果的です。病気がない方も、同じ医療機関で検診(健診)を続けて受けていれば、相談しやすい関係もできていくと思います。

○市民の方に
まず、がんにならないために、タバコは吸わない、過度の飲酒は避ける、バランスの取れた食事と適度な運動という、一般的な健康管理を心がけましょう。他の病気にも有効ですね。
自分の体に起こりやすいリスクを把握することも大切です。胃がんではピロリ菌、子宮頸がんではHPVへの感染など、がんのリスクが高い人がいます。そういった人は、定期的な検診がより重要となります。
がんは避けて通れない病気ともいえます。たとえそうであったとしても、早期発見・治療で生存率を高めることはできます。
あなたの健康のために、がん検診を受けましょう。

■受けた後も肝心です
令和3年度の大腸がん検診では、8350人が受け、507人、6.1%が要精密検査となりました。そのうち、がんと診断されたのは18人、精密検査対象者の3.6%となっています。精密検査を受け、がんと診断される確率は決して高いものではありません。
しかし、検診により「精密検査が必要」と判定された方は、「がんのリスクが高い」と絞り込まれた状態です。必ず医療機関を受診し、早期発見の機会を逃さないようにしましょう。

精密検査も受けましょう

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