■渡良瀬川改修工事碑
渡良瀬川改修工事は、1910(明治43)年の計画策定から1922(大正11)年に渡良瀬遊水地がおおむね完成するまで、12年の歳月をかけた国家的大事業でした。それは、廃村にした栃木県谷中(やなか)村を中心に、およそ3,000ヘクタールの遊水地を造成し、同時に渡良瀬川およびその支川の河道(かどう)を新たに開削したり、堤防の築造・かさ上げなどを行ったりするという総合治水事業でした。この事業によって渡良瀬川下流域の洪水疎通が良好となり、洪水の被害は大幅に減って、低地の開拓も可能になりました。
柏戸にある1917(大正6)年に建立された改修記念碑の碑文には、近世の渡良瀬川の沿革が記されています。それによると1786(天明6)年から1910(明治43)年までの125年間に旧利島(としま)村・川辺村では、27回85カ所に及ぶ破堤(はてい)があったといわれています。
そして、洪水の常襲地帯解消のために、地元の柏戸・小野袋の人々が移転や用地買収などにいかに協力したか、数字を挙げて記されています。
紹介者:山崎繁雄 加須市文化財保護審議会委員
○渡良瀬川改修工事碑
住所:柏戸地内
問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223
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