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《特集2》まつりがつなぐ想い(2)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

■〔まつりびと〕03 北中丸囃子連 加藤祺(き)さん
120年以上続く北中丸囃子連で、リーダーとなる笛を中心に担当。北本市郷土芸能保存団体連合会の会長も務め、囃子文化の保全にも尽力しています。
『師匠たちが続けてきた伝統を、『終わらせちゃいけない』という想いがあるんです。』

加藤祺さんが北中丸囃子連に参加したのは40年前のこと。60人いた練習生が2か月後には7人まで減っていく中でも、師匠に頼み込んでさらに2か月稽古をつけてもらったそうです。
「初めて人前で演奏を披露したのは北本まつりでした。演奏が下手だと途中で師匠に(太鼓の)ばちを取られてしまったんです。それでやっきになって練習しましたね」
稽古中は太鼓の代わりにタイヤや梯子を叩いていました。太鼓が足りないくらい当時は参加者が多かったのだと言います。
現在、北中丸囃子連に参加するのは加藤さんを含めて7人。そのうちの一人である鈴木雅彦さんは、まつりで太鼓を叩く加藤さんの姿に息子さんが憧れたのが参加するきっかけとなったそうです。
「まつりの『ひっかわせ』(演奏の競い合い)は特にテンションがあがりますね。他の囃子に負けないようにとますます力が入るんです」
それを楽しめる『目立ちたがり屋』こそ、囃子の担い手にぴったりなのだとか。一方で、現在は地域のつながりが減り、後継者を増やすのが難しい状況です。
「北中丸囃子連にはその地域の人しか参加できないのですが、なかなか新しい人が入ってこない。師匠たちが続けてきたものをこの代で終わりにしちゃいけないという想いはあります」
加藤さんの楽しみは、最年少で神楽経験者の石川直紀さんの踊り。本人から踊らせてほしいと言われたときは「嬉しくてしょうがなかった」と言います。――彼の踊りはすごいよ。
そう目を細めて語る加藤さんに、歴代の師匠たちの姿が見えるようでした。

◇〔うちの自慢!〕踊り
北中丸囃子連はおかめ・ひょっとこ、天狐の踊りにも力をいれています。

◇お囃子に興味のある人へ
市内には北中丸囃子連をはじめとした郷土芸能団体が全部で9団体あります。活動に興味のある人は、ぜひお問い合わせください。

問合せ:文化財保護課
【電話】594-5566

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