■~より良く生きたい!より良く終えたい!~
▼人生会議(ACP)とは
人生の最終段階の医療やケアを前もって考え、話し合い、共有することを「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」と言います。
最期まで自分らしく生きるために、また、家族や大切な人が安心できるように、身近な人たちと自分が望む医療やケアについて話し合ってみましょう。
思い立ったそのときが始めどきです。考えは変わることもありますので、繰り返し行いましょう。
▼どのように進めたらよいか
▽人生会議の進め方の例
▼人生会議を進めるためのヒント
▽エンディングノート
自分が望む生き方、人生の最終段階の医療やケア、亡くなった後
の意向などを書き込めます。考えたり、話
し合ったりするきっかけにしてください。
市役所などで無料配布しています。
配布場所:介護保険課、長寿はつらつ課、各高齢者相談センターなど
▽医療・介護の出張講座~もしものときのために~
医師の講話やゲームを通して、より良い生き方や人生の最終段階の過ごし方などを学べます。これからの人生を自分らしく生きるヒントが詰まった講座です。
※受講者にエンディングノートを差し上げます
日時:12月6日(水)午後1時~3時
場所:中央公民館
申込み:電話で介護保険課へ
▽図書館特集展示
終活や終末期医療など「自分らしく生きるための本」をテーマに、本の特集展示を行います。
期間:12月1日(金)~28日(木)
場所:中央図書館、福祉の里図書館
◆父の言葉福祉用具プランナー・糟壁(かすかべ) 匡(ただし)
「医療・介護の出張講座」の企画などを行っているACP普及啓発ワーキンググループのメンバーによる体験談です
◇「家族みんな仲良くしてな。喧嘩なんてするなよ。」
肝臓と肺の病気で2度目の入院となった父が、面会に来た私に最初に言った言葉でした。普段はこのようなことを話さない父だったので、「分かっているよ。だから早く元気になってよ。」と、私は言葉の意味をあまり考えずに返事をしてしまいました。その後、父は何か覚悟を決めたのか、「今回はもう家には帰れないかもしれないよ。」とつぶやきました。私はその理由は聞かず、父ととりとめのない話をして帰りました。
ある日、病院から連絡があり、母と向かいました。在宅で療養するか、療養型の病院へ転院するかを決めなくてはいけないという話でした。前回の入院ではまだ歩いていた父でしたが、今回は車いすが必要とのこと。障がいのある母が自宅で父の介護をするのは困難であることを私は理解していましたし、おそらく父もそう考えていると思っていました。
しかし、転院当日、父はそのことを全く理解していませんでした。自宅に帰るつもりでいたのです。私はそのとき初めて、父の認知機能がかなり低下していることを知り、ショックを受けました。⦆元気でいた父でしたが、転院してから2年経ち、持病が進んで帰らぬ人となりました。
父が亡くなり一段落したところで、父の苦労話を母から聞きました。家のために都会で働き、仕事中に大怪我を負い、その後障がいが残り仕事に苦労したこと。そして、実家の家業を継げなくなったこともあり、父の家族との間に大きな溝を作ってしまったことなどです。
母の話を聞き、父が面会のときに話していたあの言葉の意味がやっと理解できました。
「家族みんな仲良くしてな。喧嘩なんてするなよ。」
父が心から私に伝えたい言葉だったのです。
私は、父が自分のことを語らないと決めつけていたため、なぜあのときちゃんと父の言葉に耳を傾けてあげられなかったのかと、後悔しています。また、父が本当はどうしたいのか聞いてほしかったのではないかと思うと、今ここに父がいたなら、本心を聞いてみたいです。
家族にはいろいろな形があると思います。日々の暮らしの中、どこかでいろいろなサインを出していて、お互い会った瞬間に感じ取れる関係であれば理想的ですが、それができないのも、また人間だと思います。だからこそ、気持ちを伝えることは恥ずかしいことではなく必要であり、とても大切なことだと思います。
もし私があの面会のときに、父にエンディングノートを渡していたら、父の気持ちが生きている間に分かって、もっと大切な話ができていただろうなと思ってしまいます。
エンディングノートは、その人の心の扉を開けてくれる、大切なノートだと思います。大切な人たちと自分自身が最後まで幸せでいられるように…。
問合せ:介護保険課
【電話】048-424-5186
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