■柔軟な発想~頓智(とんち)や知恵で時代を動かす!?~
鈴木勝
一休さんの頓智(とんち)話の中に、殿様から「屏風(びょうぶ)に書かれているトラを退治してくれ」と難問を投げかけられ、一休さんは「殿様、退治しますので、トラを屏風から追い出してください」と、殿様を言い負かした。
ある人が精神科医を受診し、「私は短気で困っている」と医師に相談した。医師は「では、その診察をするのでその短気を出してみてくれ」と伝えたところ、「今すぐには出せない」と答えた。すると医師は「それでは、あなたは短気ではないですね」と診察は終了した。
昔話の中に、殿様が「灰で編んだ縄がほしい」と難問を地域住民に投げかけたところ、一人の老婆が「塩水につけた縄を燃やせばよい」と知恵を出してくれた。その縄を見た殿様は、とても感心し、その後高齢者を山に捨てる風習を禁止したという。
人の悩みの多くは、人間関係だと言われている。他人を変えることは難しいので、自分の相手をみる角度などを変えるしかない。柔らかな発想や逆転の発想は、自分自身を救うだけでなく、時には時代をも動かすのかもしれない。
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