【特集3】「がんばる企業」拡大版

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市内で元気にがんばる商店や会社などをインタビュー形式で紹介する「がんばる企業」のコーナー。今回は、市長が自ら企業に訪問し、お話を伺ってきました。

■株式会社ペリカン代表取締役　原田洋志×桶川市長　小野克典
○株式会社ペリカン
昭和60年に創業したペリカンは、大豆・小豆など穀物類の選別事業から始まり、顧客の要望に応じて、脱皮・挽き割り・粉砕など加工してお返しする受託加工業で成長してきた企業です。
数多くの特許を取得するなど技術力に定評があり、顧客のあらゆる困りごとに応えてきた実績から「業界のお助けマン」として大手食品メーカーや商社からの信頼が厚く、同社が手掛けてきた受託加工品は、スナック菓子、パン、総菜、製麺、アイス、畜産練製品など多岐にわたります。
同社の技術力がなかったら、スーパーやコンビニで見かける「あの商品」や「この商品」がこの世に誕生することがなかったとも言われています。

◆オンリーワン技術で躍進
市長：数多くの特許技術を取得されていますが、最初に発明した特許技術はどのようなものだったのでしょうか。
原田社長：大豆の皮を剥(む)く技術で特許を得ました。当時、大豆の皮を剥(む)く技術は、大豆を割って皮を飛ばす方法しかありませんでした。
そこで私どもが開発した技術は、大豆に熱を加え、もみほぐす方法で皮を剥(む)く製法です。この特許技術のおかげで、大豆の皮の「えぐみ」が残ることなく大豆本来の味が引き出せるようになりました。
市長：更なる特許技術が会社の大きな転機になったと伺いましたが、どのようなものですか?
原田社長：平成14年に特許を取得した「無菌全脂大豆粉の製造方法」で、一挙に受注が増えました。
この技術は、大豆と共生している土壌菌を無菌と言えるレベルまで削減させるとともに、大豆のうまみや栄養だけを残した「全脂大豆」を粉にするというものです。この粉を「無菌全脂大豆粉」と呼んでいます。この粉の誕生で、これまで豆腐や納豆など伝統食品の活用だけに留まっていた大豆の利用用途が格段に広がりました。
市長：この「無菌全脂大豆粉」を使ってどのような製品が生まれたのですか?
原田社長：秘密保持契約案件が多いので、詳しくお話しできないところがありますが、弊社の大豆粉は水によく溶けるので、豆乳より栄養価に優れた「大豆飲料」の開発につながりました。
また、この「大豆飲料」に乳酸菌を掛け合わせて、大豆ヨーグルトが商品化されました。
市長：「大豆からヨーグルトですか!」アイデア次第で、これまで想像できなかった、驚くような製品が誕生しそうですね。
原田社長：そうなんです。ですから私どもは、この「無菌全脂大豆粉」を「大豆を大豆でなくする技術」とうたっています

◆大豆ミートの開発で受託加工業からメーカーへ
市長：この全脂大豆粉を使用して、自社製品を開発されたと伺いましたが。
原田社長：お肉に代わる大豆ミート「soyΦ(ファイ)ミート」を開発しました。これまでも大豆を使った代替ミートというものはありましたが、弊社のは「全脂大豆粉」を原料とし、特殊な技法を用いることで、うまみはもちろん、肉本来の食感も再現しました。
従来の大豆ミートは、油を取り除いた「脱脂大豆」でできていて、大豆特有の「豆臭さ」があります。弊社の「全脂大豆粉」を使用することによって、「豆臭さ」を取るための添加物を加える必要がなく商品化できるため、商品開発のコストも抑えられるようになります。
市長：世界的には今後、食料不足の懸念もあり、実際、国や地域によっては飢えにより亡くなる人たちもいる現状を考えると、この大豆粉は人類を救う「魔法の粉」と言っても過言ではないですね。
原田社長：安価で栄養価の高い弊社の大豆ミートで、より多くの人たちを救うことができれば、とても喜ばしいことだと思います。
今後弊社では、販売会社を立ち上げ「soyΦ(ファイ)ミート」を中心に「全国」そして「世界」へと展開していけたらと思っています。弊社が開発した「全脂大豆粉」と「soyΦ(ファイ)ミート」で、富裕層には「健康」を、貧困層には「栄養」を提供していける会社を目指したいと考えています。
市長：益々夢は大きく広がりますね。桶川で作られた「soyΦ(ファイ)ミート」のような新たな食品が全国、さらに世界へと広がっていけば素晴らしいことだと思いますし、桶川市のPRにもつながることと思います。
原田社長：桶川市とコラボして、弊社の大豆粉を市内の業者へ原材料として提供し、商品化していただいて、現在整備中の「道の駅」で販売するということとなったら、桶川を盛り上げられるのではないかと考えています。
市長：それは、桶川市にとっても大変ありがたく、新たな桶川ブランド誕生も大いに期待できますね。今後益々のご発展を願っております。本日はありがとうございました。

○大豆食品の原材料イメージ

◆株式会社ペリカン
住所：下日出谷西3-2-1【HP】http://www.pelican-eg.co.jp