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[特集]旧渋沢邸『中の家(なかんち)』リニューアルオープン!(2)

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埼玉県深谷市

■文化財としての価値を保ちながら建物を利活用
◇主屋が建設されて以来の本格的な改修工事を実施
『中の家』の主屋は、建設から120年以上が経過し、耐震性が確保できなかったため、この歴史的建造物を将来へと継承するためには、耐震性の向上や補修が急務となっていました。そこで市では、令和元年度から設計作業に着手し、令和4年2月に工事を開始、今年4月末に改修が終了しました。
改修工事は、文化財として、元の形状を残すことを基本とし、明治期に建てた主屋南側は現状保持を行い、昭和58年に増築された北側は、新たな利活用を図るための工事を行いつつ、耐震安全性の向上を図る内容となりました。
また、渋沢栄一アンドロイド設置のための改修・整備、屋根の荷重を軽減するための瓦のふき替えや、外壁改修なども行いました。

◇事前の調査で発見されたさまざまな遺構
今回の改修工事にあたっては、工事に際して詳しい調査を実施しました。その結果、主屋に眠っていたさまざまな遺構が発見されました。
その一つである『煉瓦(れんが)製カマド跡』は、五つの焚口と灰などをかき出すための溝が残っていました。さらに、使われたれんがの中には、栄一翁が中心となって設立した日本煉瓦製造(株)で作られたことを示す『上敷免製』の刻印が押されたれんががありました。この『煉瓦製カマド跡』は、そのまま保存され、展示物として見学することができます(左記写真)。
今回の調査で出現したものは、この他に、記名入りの束柱(つかばしら]、いろり、井戸の枠石などがありました。
これらは、現状を維持した状態で床下にて保存したため、通常は目に触れることはありませんが、今後、企画展示などで紹介する予定です。

◇寄附の活用などで皆の想いが詰まった『中の家』に!
改修工事を行った『中の家』主屋は、しっくいなどを用いる伝統的な工法で瓦屋根や外壁の細部が復元されました。改修・整備にかかった費用は約3億8545万円で、企業版ふるさと納税により全国の企業からいただいた寄附金も活用されています。
加えて、クラウドファンディングを実施し、全国から屋根改修の寄附金が1425万5千円寄せられました。屋根瓦の裏側には、ご協力いただいた皆さんや、大河ドラマ『青天を衝(つ)け』の出演者などの名前が記名され、多くの人の想いが詰まった建物となりました。
ふるさとの想いを将来に伝えながら青天に映える、美しい姿の『中の家』主屋をぜひご覧ください。

※写真は、本紙P.5をご覧ください。

■関連施設も巡ってみよう!
『中の家』も位置する『論語の里』エリアなどの栄一翁ゆかりの地に立ち寄って、栄一翁が過ごした江戸から昭和初期にタイムスリップしてみませんか?

◇尾高惇忠(おだかじゅんちゅう)生家
栄一翁のいとこであり、学問の師でもあった尾高惇忠の生家です。惇忠や栄一翁らが高崎城乗っ取りなどを計画したと伝わる部屋(非公開)が2階にあります。

所在地:下手計236
※『中の家』から徒歩25分

◇渋沢栄一記念館
栄一翁ゆかりの資料をたくさん展示しており、栄一翁の生涯について詳しく知ることができます。また、講義室では70歳代の渋沢栄一アンドロイドによる『道徳経済合一説』の講義を受講できます。渋沢栄一記念館で学んでから、『中の家』でくつろぐ80歳代の渋沢栄一アンドロイドに会いに行くのもおすすめです。

所在地:下手計1204(八基公民館内)
※『中の家』から徒歩15分

◇誠之堂(せいしどう)・清風亭(せいふうてい)
第一銀行行員の出資により、『誠之堂』は初代頭取である栄一翁の喜寿(77歳)を祝って、『清風亭』は2代目頭取である佐々木勇之助(ささきゆうのすけ)の古希(70歳)を記念して、東京都世田谷区内に建築されたものを移築したもので、どちらも大正時代を思わせる装飾などが見どころです。

所在地:起会84-1(大寄公民館地内)
※『中の家』から車で5分

▽『論語の里』ガイドアプリをダウンロードして散策をさらに楽しく!
渋沢栄一記念館の公式まち歩きガイドアプリ、深谷市『論語の里』ガイドは、栄一翁ゆかりの『論語の里』エリアのスポットを中心に、見どころやおすすめコースをきめ細かくガイドします。早速、下記QRコードからダウンロードしてみてください。

※QRコードは、本紙P.5をご覧ください。

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