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自治体の皆さまへ

[特集]ひとりで悩んでいませんか 心のケアで命を守る(1)

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埼玉県深谷市

誰もが生きていく中で抱える悩みやストレスは、時に心の健康状態に影響を及ぼし、自ら命を絶つ『自殺』につながることがあります。今月号では、自殺を未然に防ぐために私たちができることについて特集します。

◆3月は自殺対策強化月間です
春は卒業や入学・就職など、人との出会いや別れ、環境の変化が多い季節です。
環境の変化に伴い生じる新たな悩みやストレスは、時に心身に不調を生じさせることがあり、精神的に不安定な状態が続いたり、うつ病などにつながることもあります。そして、場合によっては、その他のさまざまな要因が複雑に関係して、心理的に追い込まれた末に、死を選択してしまう可能性もあります。
自殺対策基本法では、月別自殺者数の最も多い3月を『自殺対策強化月間』と定め、全国で自殺予防の相談など啓発活動を実施しています。
自殺は、支援体制の整備や心理的に追い込まれる前に、適切なケアにつなぐことで、その多くを防ぐことができます。
悩みやストレスなど、心理的負担を一人で抱えずに、心の不調に早めに気づき、心のケアを行うことが大切です。

◆自殺は誰にでも起こり得る身近な問題
深谷市の人口10万人あたりの自殺死亡率を見てみると、平成25年をピークに減少傾向にありますが、令和2年に増加し、直近の令和4年は18・3人で全国(17・3人)および埼玉県(16・9人)と比較すると高いことが分かります(表1参照)。
自殺に至る背景としては、経済問題や生活困窮、仕事や人間関係の悩み、健康や家庭問題などさまざまな要因があり、本人は自身を取り巻く状況や問題などから『この方法以外に苦しみから逃れる手段がない』と心理的に追い込まれて『死』を選択してしまいます。
『自殺』は、誰にでも起こる可能性があり、一人ひとりが自分の問題として考える必要があります。

[表1]
○自殺死亡率の推移(人口10万対)

◆心の状態を知り負担を減らすことが大切
大切な人や自分の心の状態を把握し、早めに適切なケアを行うことで、心身の不調を未然に防ぐことができます。
市の健康づくりアンケート調査(平成29年度)によると、『悩みごとを相談できる相手はいるか』という質問に対し、女性は各年代で7割以上が『相談相手がいる』と答えているのに対し、男性は『相談相手がいる』と回答した人が各年代とも女性より低く、特に50代が他の年代に比べて低いことが分かります。
悩みは、一人で抱え込まないことが大切です。誰かに話しを聞いてもらったり、相談したりすることで、気持ちが軽くなったり、新たな考えが生まれて悩みの解決につながることもあります。
自分は大丈夫と過信し、悩みを抱え込んだり、無理をして強いストレスにさらされる生活を続けると、心のバランスが崩れ、追い詰められたり、心の病気にかかる可能性があります。自身の心の状態を定期的に確認し、休養やストレス解消など、適切な心のケアを行うことが重要です。
家族や友人など大切な人の様子が『普段と違う』、『眠れていないようだ』と変化に気づいたら、悩みを一人で抱えて心理的に追い込まれる前に、声を掛けたり、話しを聞いて支えることで救える命があります。
市では、悩みを抱えているかたの様子や変化に気づき声かけを行う『ゲートキーパー』を養成する講座や、心について学ぶ『こころの健康講座』、ストレス度などを気軽にチェックできる『こころの体温計』など、各種事業を実施しています(本紙P.4参照)。
命を守るために、まずは心のサインに気づくことから、始めてみませんか。

○悩み事を相談できる相手はいますか

◆行政や関係機関が連携して推進『深谷市自殺対策計画』
自殺に至る要因はさまざまです。自殺は、その要因の幅広さから、行政の力だけで未然に防ぐのには限界があります。
市では、平成30年度に『深谷市自殺対策計画』を定め、『ともにつくる いのちを大切にするまち ふかや』を基本理念に、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて計画を推進しています。
この計画の基本理念にある『ともに』という言葉は、『(共)いっしょに』、『(伴)支えあって』、『(知)知識をもって』、『(友)仲間になって』という意味が込められており、自殺の要因となり得る保健、医療、福祉、教育、労働などのさまざまな課題を解決するために、行政とさまざまな関係機関が連携して支援に取り組んでいます。

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