天才絵師の作品蕨にあり ─No.86─
■暁斎筆 「眠り猫」 錦絵
まるでスヤスヤという寝息が聞こえてきそうなほど穏やかな猫の寝顔。安らかで満ち足りた表情をしています。毛並みは版木を色抜きで摺(す)る空摺(からず)りも用い、精巧な技法を駆使しています。なお本図と同じ図柄の錦絵が、ボストン美術館に二点所蔵されていることが分かっています。一点は背景が墨のぼかしとなっており、もう一点は団扇(うちわ)形の作品です。いくつか現存していることからも、当時人気の作品だったことがうかがえます。
※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
詳しい内容は美術館のホームページを御覧ください
■河鍋暁斎記念美術館開催中
企画展「暁斎・暁翠いきもの百科」展
同時開催特別展「『絵本鷹かがみ』の世界」展
開館:午前10時~午後4時
休館:火・木曜日、毎月26日~末日
場所:南町4-36-4
入館料:一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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