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輝いてます ひと

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埼玉県蕨市

武州足立郡塚越村関東大権現幣帛の発見に尽力
高橋 勝之(たかはし かつゆき)さん

■調べて集めて塚越の思いつなぐ
「機まつりの起源は、機神社のお祭りなんだよ」と教えてくれた高橋勝之さん(78歳・塚越5丁目)。塚越の歴史を調べることをライフワークにしています。
30歳の時、荒れ放題だった塚越稲荷社を見て心を痛めた高橋さんは、有志7人と「掃除の会」を立ち上げます。この活動から、参拝者や地元の人にとって心地よい空間にしたいという思いを募らせて、みこしの制作や庭の整備など、活動の幅をどんどん広げます。
定年退職を機に、参拝者に神社の解説をしてあげたいと考え、塚越の歴史を調べ始めました。元営業職の経験を生かして地元の家々を訪ね、貴重な資料を収集していきます。
そんなある日、塚越稲荷社境内にある機神社が老朽化によりゆがんでしまったため、奉賛会の皆さんと建て替えの準備をしていたところ、屋根裏からほこりだらけの木箱が出てきました。これが歴史的大発見。実は、機神社には徳川家康像が祭られており、当時は制作年代が不明でした。しかし、この木箱には享保(きょうほう)8年(1723)に機神社の前身である「関東大権現社(かんとうだいごんげんしゃ)」に授与された神事の道具「幣帛(へいはく)」だと記されていました。この発見により、徳川家康像が享保8年には塚越村にあったと証明されたのです。しかも、幣帛自体も、葉が付いたままの榊(さかき)の枝が現存しており、非常に珍しい貴重な資料です。徳川家康像と幣帛は、たちまち蕨市の指定文化財となりました。機神社への地道な活動が生んだ大発見。機神様からのプレゼントかもしれません。
毎月1日と15日に見学会を開催して、塚越や機神社の歴史と魅力を伝えている高橋さん。「私が集めた資料が未来の誰かの助けになると思うと、ロマンがありますよね。」と目を輝かせていました。

※「高橋」さんの「高」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。

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