今月の河鍋暁斎記念美術館

13／29

天才絵師の作品蕨にあり　─No.88─

■暁翠筆「寛永時代美人図」軸装
本図は暁斎の娘で日本画家の河鍋暁翠(きょうすい)(1868～1935)が、大正5年(1916)に父・暁斎の下絵を基に描いた作品です。
暁斎は下絵に猫を描いていましたが、暁翠はその猫を犬の狆(ちん)に描き替えています。これは寛永(かんえい)時代(1624～1644)頃に狆が愛玩動物として飼育されたことを暁翠が知っていたためと考えられます。当時、遊女がよく結ったとされる兵庫髷(ひょうごまげ)や小袖(こそで)の文様の緻密さに、暁翠の描写力の高さがうかがえます※本作品は現在の展覧会で御覧いただけます。

河鍋　暁斎(かわなべ　きょうさい)　天保2年(1831)～明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。

■河鍋暁斎記念美術館開催中
企画展「生誕155年河鍋暁翠展」
同時開催特別展「『狂斎百図』の世界」
詳しい内容は美術館のホームページをご参照ください

開館：午前10時～午後4時
場所：南町4-36-4
休館：火・木曜日、毎月26日～末日
入館料：一般600円、小・中学生300円、高校生・大学生500円、65歳以上500円
※65歳以上の人は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください

詳細：同館
【電話】441・9780