甲子園で、夢みたいな目標ですが、奇跡の3年連続決勝を戦えると信じて、地道に頑張ります
地域格差はない…可能性は無限大 将来、なににだってなれる
■今年の抱負
須江:一昨年(2022年)と昨年(2023年)は本当に、東北6県と鳩山の方にたくさん応援していただきました。
鳩山町の「町民の集い」にお越しいただいた方にもとても暖かい言葉をいただきましたけど、本当に声って届いているんですよ。こういう時代なので僕のSNSに当時の同級生とか鳩山町民の方から激励のメッセージをいただいていました。SNSだけではなく、学校(仙台育英)にファクスとかテレビ局にメールとか、様々な形でこの2年間、鳩山というフレーズを目にしてきました。
2年連続で決勝に進められたとはいえ、そんな順風満帆じゃないですから、うまくいかない時もたくさんありました。そういう時に本当に励ましていただいたんですね。それはやっぱり皆さんに本当にありがたいということと、励みになったということをお伝えしたいです。
この2年間、甲子園で優勝したり、ちょっとうまく行き過ぎてますから。やはりそんなに甘くないので、今年はもしかしたらと言っております。今の段階で秋の県大会はベスト8で敗退していますから。まさか日本の中で、夏の甲子園でまた仙台育英高校が決勝戦まで上がってくると思っている人はいないと思うので、そのいないところで、奇跡の3年連続で決勝を戦えることを信じて。監督やチームの人間たち自身が、それを信じなかったら、何も起こらないと思うので。
とても高い、夢みたいな目標ですけど、それができると信じて、地道に頑張りたいなと思っています。どうぞ応援いただけたらなと思ってます。
町長:昨年の甲子園は初戦で、埼玉県代表の学校と仙台育英が対戦していましたが、須江監督がいらっしゃるので、やはり仙台育英を応援してしまう場面もありました。
須江:気にかけていただいて本当にありがとうございました。
町長:私の今年の抱負ですが、私が町長に就任した時には高齢化率が急激に上がっている時期でしたので、健康づくりを前面に考えて、挑戦してまいりました。その成果が大きく上がってきておりまして、健康寿命は男女とも県内トップクラスでございます。
そうした成果を背景にしながら、今後はやはり少子化の課題に真剣に取り組んでいきたいと考えています。そのために、昨年は若手職員を中心に「少子化対策検討プロジェクトチーム」を立ち上げたわけですけども、来年はこのプロジェクトチームがまとめた「鳩山町少子化対策チャレンジプラン」を実現していく初年度という位置付けで考えています。
まずは、小中学校給食費の無償化、保育料の第2子無償化、この具体化をしていきますので、その後にそれが成果となって語れるような初年度の1年にしたいなという風に思っております。
■鳩山町のこどもたちへ
須江:いま中学校は1学年何人ぐらいですかね、100人いないですよね。鳩山のこどもたちと触れ合っていないので、僕の感覚はずれているかもしれないですけど、鳩山に住んでること、彼らはどう思っているんですかね?
僕は、地域格差はないと思っていて全部自分次第。家にインターネット環境がない家庭はほぼないと思いますから、自分次第で自分を作っていけるってことを伝えてあげたいですね。
例えば、東京都に住んでいないこととか、いろんなことに恵まれてないこととか、1学年が何百人もいる大規模学校じゃないこととか。そんなにハンディキャップじゃないんですよ。
だから、可能性って本当に無限大なので、こどもたちからしたら、頑張ってやれれば将来、なににだってなれるので、自分の可能性に限界を決めないで、やれると信じていろんなことに取り組んでもらいたいですね。
あとは、私もですが、年配の方に気にかけてもらったりすることもそうですし、成人式以来の人と、中学校の在学中以来の人に今日声かけてもらったんですけど、それってやっぱり鳩山町ならではだと思うんです。鳩山町では当たり前ですけど、人との関わり合いが深いってことですよ。
例えばこれが仙台市だと人口は100万人を超えてるので、そういう中で一人一人の深い繋がりを作るのはすごく難しいんです。鳩山だからこそ、多くの方とリアルの中で深い人間関係だったりとか、親同士の繋がりとか、いろんな形で1つなんですよね。とってもあたたかい町に住んでるというのは、多分将来の財産になると思うんですね。
卒業しても、町を離れても、大人になっても、いろんな形でずっと繋がっていけるような素敵な関係が構築できる町だと思うので、鳩山町に誇りを持って、頑張ってもらいたいなと思います。
◆仙台育英学園高等学校 硬野球部監督 須江 航(すえわたる)
▽Profile
仙台育英学園高等学校硬式野球部監督
1983年生まれ 鳩山町出身
大学卒業後の2006年、創部間もない仙台秀光中等教育学校の野球部監督に就任し、2014年には第36回全国中学校軟式野球大会で優勝。2018年より仙台育英学園高等学校硬式野球部監督を務める。2022年8月、第104回全国高等学校野球選手権大会において優勝、東北勢初の全国制覇に導いた。(中学、高校ともに日本一に導いた史上初の監督)2023年2連覇を狙った第105回大会でも強豪を撃破し、決勝戦まで進出、準優勝を飾った。
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