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〜つなぐ〜 中津市長 奥塚正典

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大分県中津市

■古希の集いで
いつの間にか古希を迎え、小中学校、高校と同窓会が開かれます。時間の経過感覚は、年齢の逆数だと言います。歳を重ねるにつれ、時がどんどん速く過ぎるように感じます。10歳の子どもの一週間は、70歳の人では一日に相当、これは誰しもの実感でしょう。
振り返ると「四十不惑」と言われる40歳、「惑わず」どころか迷いっぱなしだったように、「人生七十、古来(こらい)稀(まれ)なり」も、「人生100年時代」という言葉が使われだした現代社会では意義が薄れています。医療の発達のお陰で日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳と、50年前に比べて10歳以上伸びました。70歳は珍しくもなく、まだまだ元気で、体力の低下や加齢の不安はあるものの、老人というイメージとは程遠い気がします。それに今は、日常生活で人の力を借りず自立して動ける「健康寿命」が大切です。
ところで、精神科医の和田秀樹さんの著書『70歳の正解』、『80歳の壁』を読むと、加齢により体力的・精神的に弱くなっていく、いわゆるフレイルとどう向き合っていくのかのヒントがたくさん出てきます。心配になる認知症予防には、「よく働き、よく学んで、脳を怠けさせない生き方を選べ」とアドバイスします。そしてできないことが段々増えても嘆くのではなく、できることを探し、できる方法を考える生き方を勧めます。
「古希」の同窓会、物故者に黙とうを捧げた後、懐かしい友と昔を語り、近況を交換し、互いに激励し合います。参加者は皆元気で、仕事を続けている人もかなりいます。70年の人生経験を積み、80歳の壁に向かって、多少の体や心の不安があってもうまく制御し、自分流に意欲的に生き抜いています。別れ際に「次の同窓会はいつ」を話題にする同級生たち。「古希(こき)」を迎え「克己(こっき)の精神」を感じさせる力強さ、頼もしい!

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