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木綿(ゆふ)の山通信

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大分県由布市

今回は庄内町にある、大分川の立木状炭化木および火砕流(市指定重要文化財:天然記念物)の紹介です。
国道210号線の挾間町と庄内町の境界付近の大分川川かわどこ床に、立木状炭化木・火砕流があります。
今から約60万年前、由布川火砕流といわれる大規模火砕流がこの地域に流れ込みました。火砕流とは、火山現象により生じる土砂移動のことで、山の斜面に沿ってマグマなどが流れ下りてくることを言います。由布川火砕流により、この付近一帯の大分川には大きな一枚岩のような川床が形成されました。
また、火砕流の流れ込みにより、その場所に生えていた木などの自然林が埋没し、一部は立ったままの状態で炭化され、炭化木が生成されました。
発見されたのは平成5年9月、台風13号が大分県を襲った後のことでした。大分市で、1時間当たりの雨量が81mmという激しい雨が降りました。当時としては観測史上最高値を記録し、庄内町の一部が浸水し、一時住民が避難するほどの大洪水でした。この洪水が櫟木地区付近の大分川川床を洗い流し、火砕流跡と炭化木を露出させるという副産物をもたらしました。
後日、たまたま大分川を訪れた人が川床に炭化した大木が点在していることを不思議に思い、テレビ局に知らせたところ、大きく報道され話題となりました。
この当時、九州各地から埋もれ木の報告が幾つかされていましたが、そのほとんどが「阿蘇4」と呼ばれる約9万年前に発生した、阿蘇山最大規模の火砕流に関するものでした。櫟木地区のものは、それを大きく遡る約60万年前のものということや、火砕流堆積物の様相も間近で観察できるということから、地質学上大変貴重な存在とされており、約60万年前にこの地に生えていた植物と長い年月を超えて現在の時間を共有できる貴重な場所となっています。

問合せ:社会教育課
【電話】097–582–1203

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