◆第9回新潮ミステリー大賞を受賞
寺嶌曜(てらしまよう)さん(千歳町出身)
作家・グラフィックデザイナー
今月号のキラリ人は、初めて書いた小説「キツネ狩り」が令和4年の第9回新潮ミステリー大賞を受賞し作家デビューした寺嶌曜さんです。同小説は地道な捜査が特殊設定を凌駕(りょうが)する新感覚の警察小説で、選考委員全会一致での大賞受賞となりました。
寺嶌さんは、千歳町出身で地元の小・中学校に通い18歳まで千歳町で過ごしました。高校3年生のときにグラフィックデザインの仕事を知り、その道を目指し、現在は福岡県を拠点に個人事務所を設立してグラフィックデザイナーとして活躍されています。
子どもの頃から読書が好きで本に飢えていたと話す寺嶌さん。「千歳町には書店がなかったので、学校の図書館で本を借りるしかなかった。中・高の頃はミステリーからSF、文学と呼ばれる作品まで、さまざまな本を読んでいました」。小説はコロナ禍をきっかけに空いた時間を利用して書き始めたそうで、小説を書く際は「まず頭の中でイメージを膨らませて書きます。頭に浮かんだ情景をどれだけリアルに文章で伝えられるか苦労しました」と振り返る寺嶌さん。「物語が盛り上がったところで自分で書きながら笑っているときがあるんですよ。これを読んだ人も楽しいだろうなと想像しながら書いています」と笑みがこぼれます。今後の目標をお聞きすると「次の作品もおもしろいものを書きたいというのが一番です」と教えてくれました。
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