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【特集】2025年 大阪・関西万博(2)

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大阪府大阪市鶴見区 クリエイティブ・コモンズ

▽1970年大阪万博について
―本題に入る前に、日本ではじめて実施された登録博である、1970年の大阪万博を振り返りたいと思います。

堺井:私は当時5歳ぐらいでしたが、正直、当時の記憶はほとんどないんです。会場へは親に連れられて行ったようですが、当時の写真を見て「へぇ、自分も行ったんだ」と思った程度ですね(笑)。

白井:私はその時高校生。テーマが「人類の調和と進歩」ということで、ものすごくワクワクするイベントでした。「動く歩道」や「電気自動車」「携帯電話」など、半世紀以上たった現在では実用化されている、当時の最先端技術に初めて触れたのですが、とにかく見るものすべてが新しく、興奮しっぱなしでした。ちなみにケンタッキーフライドチキンは、大阪万博のアメリカ館(アメリカンパーク)に出展という形で日本に初上陸したんです。その味に感動した知人から、当時の箱をいただき保存しています。
また当時、入場券の販売チラシに「万国博で世界旅行」のキャッチフレーズがあったのですが…。海外に行くことがまだまだ一般的ではなく、国内で外国人に会うことも珍しかった時代、パビリオンに行けば参加76カ国の人に会えるというので、「世界への窓口」という印象を受けましたね。
とにかく外国人が珍しいので、海外のパビリオンでは、コンパニオンの方にサインを書いてもらうんです。それだけならまだしも、海外から来られた観光客の方にまでサインをねだっていました。…今となっては考えられないことですが(笑)。

▽160か国を一度に体感するチャンス!
白井:今はずいぶん海外も身近になりましたが…。今回だと参加国は160を超えるわけですよね?それだけの国を訪れられる人なんて、一生をかけたとしてもほぼいませんよ。そう考えると、万博に行くだけでそれだけ多くの国の人に会うチャンスがある、というのはすごいことだと思いますね。

▽大阪・関西万博の見どころ
―ここからは2025年大阪・関西万博についてお聞きします。建築物では「リング」がよく知られていますし、70年万博を知る者からすると、当時話題になった「人間洗濯機」がリニューアルされて登場するという噂や、「月の石」が再展示されるかも?といった情報に興味を持ったりしますが…。何かこっそり教えていただける情報や、特にアピールしておきたい情報などあれば教えていただけますか?

堺井:今回の万博のテーマである、“いのち輝く未来社会のデザイン”を世界に発信していく象徴的な存在として「シグネチャーパビリオン」と名づけた、リング中心付近に集う8つのパビリオンは最大の見どころです。
いのちを「知る」「つむぐ」「響き合わせる」…など、いのちに関わる8つのテーマについて、映画監督の河瀨直美さんやメディアアーティストの落合陽一さんなど、8分野で最先端を走る「テーマ事業プロデューサー」が指揮をとり、各コンセプトに共感する企業とともに展示内容を作り上げます。
また今回、「未来社会の実験場」をテーマに、未来社会を体験できるゾーンを設置。特に「空飛ぶクルマ」を楽しみにしてください。さらにその離発着ゾーンの近くに「未来の都市」「未来のヘルスケア」「未来の食」などを体感できるパビリオン等が並ぶ予定です。

白井:お話を聞いているだけでワクワクしてきます!

▽1日たりとも同じ日がない!
堺井:開催期間は184日ありますが、会場内には10を超えるイベント会場があり、毎日のように違うイベントが展開されます。代表的なものでいえば「ナショナルデー」。公式参加国がその国の文化・芸術・芸能などを発表する場です。それ以外にも、一般の方や各地域の自治体を全国から募り、世界に向けて発信したいものを表現してもらいます。
また今回の万博は、水上ショーやプロジェクションマッピング、花火、無数のドローンが光と振り付けで魅了するドローンショーなど、夜のエンターテインメントも非常に充実していますのでご期待ください。それから、会場内のレストランなどで提供される、各国の食事も要注目ですよ。
…とにかく、いつ来ても毎回何か新しいものを見られるチャンスにあふれているので、期間中はぜひ何度も来場してほしいですね。

▽大阪・関西万博で楽しみにしていること
―さてお二人は、今度の万博ではどんなことを楽しみにされていますか?

白井:たとえばサウジアラビア館は、どの万博でも毎回、人気のパビリオンなので、同国の料理を調べたりしてみたのですが…。ホントに、聞いたこともないような料理がたくさんあるんですよ。で、その写真を見ながら「これ食べてみたいな…」なんて考えるだけで、本当に待ち遠しくて仕方ありません。

堺井:我々、主催者側の人間として楽しみなのは、無事に開幕を迎えることですね。コロナ禍で分断された世界がまた一つになる。今回の万博は、その最大のきっかけになると考えています。
そして来年の開幕に向け、準備は着々と進んでいます。「リング」もかなりできていますし、整地もほぼ終わっていて、あとはパビリオンが建つのを待つだけという状態。また、我々万博協会も、800人のメンバーが「一生に一度あるかないかの大イベントに関わっている」という誇りを胸に、フル稼働でさまざまな調整や準備を行っているところです。なので、それらがすべて整い、開幕を迎えられる瞬間というのが、今一番の大きな楽しみです。

白井:実は、もうすぐ開幕まで残り1年ということで、70年万博の際の、開幕1年前の新聞を持ってきました。一部では「本番に間に合うのか?」との声が聞かれたりもしますが…この写真を見てもらうと、現在の会場の様子と大差ないのがわかると思います。この状態から1年後、当時の技術で間に合ったわけですから、私はまったく心配していませんよ(笑)

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