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[特集]多文化共生のためにできること(1)

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大阪府河内長野市

■あなたも国際社会のかけ橋に
近年、家族とともに定住する外国人が増え、市内にもたくさんの外国人市民が暮らしています。
今回は「多文化共生」をテーマに、在住外国人に関する現状や、市の多文化共生の取り組みを紹介します。
多文化共生とは何か、自分たちに何ができるのかを考えてみませんか。

◆本市で暮らす外国の人たち
市内でも、学校や職場をはじめ、電車やスーパーなど日常生活の中で、様々な国や地域にルーツを持つ人の姿を目にするようになりました。グローバル化が進む中、在住外国人は年々増加し、また日本国籍でも外国にルーツを持つ人も多くなっています

○在住外国人の現状
3月末現在、外国籍の市民は893人、711世帯で、これは市の人口の約0.9%にあたり、国籍も40か国以上にわたっています。国別では893人のうち、約26%がベトナム、次いで韓国が約22%、中国が約11%の順になっています。近年、介護人材の不足を背景に、留学・奨学金制度、母国との給与格差などの理由から、ベトナム人の増加が著しく、令和4年度中には、韓国を抜いて1位となりました。

・市内に住む外国人の年齢

・市内に住む外国人人口の推移

◆多文化共生とは
国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくことをいいます。

◆地域の一員として
○文化や言葉の違いから
外国籍の市民の中には、地域になじんで生活している人がいる一方で、日本語がうまく話せず、コミュニケーションが思うように取れない人もいます。そのため、ゴミの出し方や騒音などの日常生活のほか、孤立した外国人が犯罪に巻き込まれるなど、様々なトラブルが考えられます。
また、地域には、「外国人と話したことがない」という人も少なくありません。文化や言葉の違いに戸惑いを感じ、「分からないから」と、心に壁を作っていないでしょうか?

○小さなコミュニケーションの積み重ね
文化や習慣、言葉が異なる国の人たちとともに暮らしていくには、まずは相手を知ることが大切です。例えば、気軽にあいさつしたり、相手の国の言葉を一つ覚えたり、通訳アプリを入れてみたり。小さなコミュニケーションを積み重ねることで、互いの違いや共通点に気づき、距離がグッと縮まることも。

○これからのわがまち
今後、ますます外国籍の市民が増えていく中で、国籍にかかわらず、同じ地域の一員として誰もが安心して暮らせる環境づくりが求められています。
本市では令和2年に国際化・多文化共生ビジョンを策定し、外国人市民と支えあってともに暮らす、多文化共生のまちを目指しています。

◆[interview 1]グェンさん家族
グェンさん・ヴォンさん夫婦と小学3年生の長男、3歳の保育園児の長女の4人暮らし

市内の金属加工会社に勤めるグェンさんは、ベトナムから3年前に来日し、河内長野市には一昨年引っ越してきました。昨年からは家族を呼び寄せ4人で暮らしています。

○日本に来たばかりのころ
まだ日本語が不慣れな時に、色が合っているからと油と酢を間違えて買ってしまったこともあったそうです。
会社には同じベトナム人の同僚が数人いるため不安はないものの、仕事上の細かい指示などはなかなか理解できないこともあるのだとか。

○難しい言葉はひらがなと翻訳機で対応
ひらがなやある程度の漢字の読み書きができるので、ジェスチャーや翻訳機があれば意思疎通には困りませんが、難しい言葉や普段使わない言葉は、ひらがなにして書いてくれると助かると話します。

○日本で驚いたこと
日本の人はみんなやさしいと笑顔で話してくれたグェンさん。市役所でタクシーを呼んでもらおうとしたところ、その場にいた人が送ってくれたことがあったそう。
親切な人が多い一方、ヴォンさんが駅前で転んで気絶した時に、素通りする人々に驚いたそうです。話してみれば親切だけど、見ず知らずの人には積極的に関わろうとしないのは、日本人の気質かもしれません。

○子どもへの想い
小学校に通う長男の連絡帳には、スマホで翻訳アプリを利用しながら、時間をかけて日々の出来事や気になることなどを記入しています。担任の先生も丁寧に返信してくれるそうです。
明るく人懐っこい子どもたちですが、外国人ということで差別や偏見の目が子どもたちに向けられないかと心配は尽きません。将来の進学や就職時に不利にならないように、子育てを頑張りたいと語ってくれました。

▽家庭訪問に来た担任の先生と、連絡帳でのやり取り
「学校では自動通訳機を使って会話をしたり、ジェスチャーや簡単な言葉を使うことに気を付けています。補助の先生もいるのですが、周りの児童たちが積極的に協力したり、教えたりもしてくれています」

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