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[特集1]インターネットと人権

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大阪府河内長野市

~その書き込み 誰かを傷つけていませんか~
インターネットは、多くの情報を世界中の人々と共有し、コミュニケーションの幅を広げました。一方で、匿名性を悪用した人権侵害などが発生しています。インターネットがもたらした利便性を社会全体の恩恵につなげていくために、みなさんも一度、考えてみませんか。

■ネット上で増える人権侵害
社会を騒がせた事件などをきっかけに、インターネット上の不確かな情報を信じて、関係者の個人情報を発信したり、特定の個人や団体を誹謗中傷(根拠のない悪口や嫌がらせ)する書き込みがされるなど、ネット上で増える人権侵害が社会問題となっています。また、ネット上には、差別を助長・誘発する書き込みが多く掲載され、それに同調した圧力はヘイトスピーチとしてさらに差別を深めるなど、現実の世界へも影響を与えています。
ネットへの書き込みは、発信者の意図にかかわらずすぐに広まり、完全に消すことは困難です。このため誹謗中傷や、個人情報などが不特定多数の人にさらされ、書き込まれた人の尊厳を傷つけ、社会的評価を低下させてしまうなど、取り返しのつかない事態を引き起こしかねません。このような人権侵害が、重大な罪に問われるケースも起こっています。

◆SNSでよくある人権侵害
○LINEでのいじめ
学校のグループLINEで書き込んでも返信がなく仲間外れの状態にされた。

○YouTube動画に影響され
特定の個人や団体に対する批判的な動画ばかりを見て、自身の書き込みもいつのまにかヘイトスピーチに変わっていた。

○Twitter上で攻撃
フェミニズム的な言動を展開する人に対して、みんなも言ってるからと感情的な言葉で攻撃してしまった。

◆[interview]ネットの「落とし穴」を学び一呼吸おいてからの発信を習慣に
大阪大学人間科学研究科教授 辻さん

近年では、小学校でタブレット端末が配られ、プログラミング授業も始まるなど情報機器の操作能力は若い世代を中心に上がっています。ただ、ネット上にある情報の偏りや偽情報などの「落とし穴」が、人権侵害に発展する可能性があるので注意が必要です。

○家庭でできること
スマホの便利機能や最新アプリの使い方は子どもから、大人は経験や知恵を伝えて家族で一緒に学び合いましょう。例えば親子でスマホのニュースアプリや動画サイトを見せ合うと表示内容が全く違うことに驚くと思います。アプリ上では興味のある情報ばかりが優先的に表示されるためです。また、LINEなど文字でのやり取り特有の誤解やトラブルも、日ごろから家庭でこんなふうに書かれたらどう思うか例をあげて話し合えるといいですね。

○個人でできること
ブラウザ上では検索履歴を残さないモードがあり、個人の趣味趣向が影響しない見え方がわかるので試してほしいです。また、ネット上に書き込みをする際は感情的になっていないか一呼吸おいて送信しましょう。最近の実験では、SNSに書き込むと反映までに10秒間猶予が与えられ、その間に修正や取り消しができる機能を検証した結果、ヘイトスピーチなどが減るという結果も出ています。
偽情報にも注意が必要です。過去には動物園からライオンが逃げたというフェイクニュースが出回ったことがありました。まずは信頼できる情報源かどうかを確かめたり、情報の真偽を第三者が調査・検証するファクトチェックを行うサイトもあるので検索して使ってみましょう。

■誹謗中傷されても言い争わない
○誹謗中傷を受けてしまった時は
何よりも「言い争わないこと」。感情に任せて言い争いをヒートアップさせると、攻撃的な部分を切り取られ、さらに責められる可能性があります。

○SNSの機能を活用し削除依頼を
「ミュート」「ブロック」といったSNSの機能を活用しましょう。誹謗中傷コメントや相手が見えなくなるだけでも、心が落ち着きます。誹謗中傷は残り続けますが、各サービスの「通報」「報告」「お問い合わせ」などのフォームから投稿の削除依頼も可能です。
何から始めていいか分からないという場合は、一人で悩まず削除依頼の方法や今後の対応など下記の相談窓口にご相談ください。

◆「プロバイダ責任制限法」の改正で発信者の特定に関する手続が簡単に
スマホやパソコンにはIPアドレスという識別番号が個別に割り振られているため、インターネットを利用する度に痕跡が残ります。

○発信者の特定が容易に
これまでは誹謗中傷を書き込んだ人の特定には、一般的に2回の裁判手続が必要でしたが、改正により2つの裁判手続が一体的にできるようになりました。これにより簡易かつ迅速な被害者救済が期待されます。

◆相談窓口
○みんなの人権110番
全国の法務局・地方法務局で面接・電話による相談を受け付けています。
【電話】0570-003-110(受付は平日午前8時30分から午後5時15分)

○法務省インターネット人権相談受付窓口
人権相談をインターネットで受け付けています。

○違法・有害情報相談センター
インターネット上の誹謗中傷に関する削除依頼について専門知識をもった相談員によるアドバイスを行っています。

○誹謗中傷ホットライン
インターネット企業有志の会員により構成される一般社団法人セ―ファーインターネット協会(SIA)によって運営されており、ネット上の誹謗中傷を本人に代わり国内外のプロバイダに削除依頼します。

(※各二次元コードは本紙またはPDF版でご確認ください。)

問合せ:人権推進課

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