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[特集]知ってほしいヤングケアラーのこと(2)

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大阪府河内長野市

◆ヤングケアラーと「お手伝い」の違いって?
幼いきょうだいの世話や祖父母の介護、障がいや病気のある家族の世話、家族に代わって食事の用意・洗濯などの家事、ほかにも家計を支えるための労働、家族の精神的サポートや見守りなど、ヤングケアラーの役割は多岐に渡ります。
子どもが家事や家族の世話をする「お手伝い」はごく普通のことだと思われますが、子どもらしく生活できる範囲内でのお手伝いと違い、本来大人が担うような家族のケアをせざるを得ないのがヤングケアラーです。
子どもとして想定される生活ができない、責任や負担の重さにより、学業や友人関係、こころやからだに影響が出てしまうという問題点があります。睡眠時間や勉強時間、友だちと遊ぶ時間が取れない、話せる人がいなくて孤独を感じる、ストレスを感じる、というヤングケアラーは少なくありません。

○私たちが気づけるポイント
欠席・遅刻や早退が多い、授業中に寝てしまう、学校に必要なものを用意できない、修学旅行や宿泊行事を欠席する、一人でいることが多くなったなど、変化に注意し、見方を変えるとヤングケアラーに気づくことができるかもしれません。そのほか、学校生活以外でも、痩(や)せてきた、学校に行っているべき時間に姿を見かける、幼いきょうだいの送迎をしていることが多い、家族の代わりに買い物によく行っているなども気づけるポイントになります。

◆例えばどんな子どもたちがいるの?
○中学3年生Aさん
Aさんは母親と幼い弟妹の4人暮らし。母親は土日も含めて早朝から深夜まで働いているため、保育所に通う妹の送迎も含めて家事はほとんどAさんが担っている。遅刻することも多く、買い物、夕飯の支度などで授業が終わると急いで下校するためか友だちも少ない。気にかけた近所の人が子ども食堂に誘った。

○中学3年生Bさん
父親と2人暮らしのBさん。父親が癌(がん)と診断、自宅療養しているため、家のことや父親の身の回りのことをしている。学校の担任が欠席や遅刻が増えてきたことや、父が保護者面談に来られないと聞いて状況が気になり声をかけた。担任がスクールソーシャルワーカーに相談できることを伝えるが、「忙しいので今はいらない」と言われたため、オンラインサロンを紹介した。

○高校3年生Cさん
母親が精神疾患を患い、話し相手になっていたCさん。兄姉が家を出ていき病状が重篤化、夜中の3時まで話を聞くことが続いている。授業中に居眠りや遅刻が増えた。その時、注意ではなく「心配している。学校で配慮ができることについて一緒に考えたいから、よかったら話して欲しい」と担任が声をかけ、初めて家のことを話せた。

■「ヤングケアラーかな?」気になる子どもがいた時は
もしも「自分はヤングケアラーかもしれない」「近くにヤングケアラーではないかと気になる子がいる」といった場合は、ひとりで悩まずに子ども子育て課に相談・連絡してください。間違っていてもかまいません。
市では、8月より「ヤングケアラー相談窓口」を設置し相談に応じます。相談いただいた後には、本人や家族から話をよく聞くなどして状況を把握し、それぞれに応じてきめ細かく寄り添いながら、必要な相談や支援に繋(つな)いでいきます。
○ヤングケアラー相談窓口(子ども子育て課内)
【電話】53-8001(平日午前9時~午後5時30分)

◆その他の相談窓口
○子ども家庭庁の相談先
(1)親子のための相談LINE
LINEの「友だち追加」で相談できます。

(2)児童相談所 相談専用ダイヤル
【電話】0120-189-783(いちはやく おなやみを)(通話料無料)

(3)児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
【電話】#189(いちはやく)(24時間365日対応 通話料無料)

○24時間こどもSOSダイヤル(文部科学省)
【電話】0120-0-78310(なやみいおう)(24時間年中無休)

○NPO法人ふうせんの会
【電話】06-4790-8881
家族のケアを担っている子ども・若者や、ヤングケアラーに関わっている専門職が集まってできた団体です。ヤングケアラーが安心して交流できる場を設け、夢を持って自分らしく生きていけるような社会を作るために、交流会や講演会、個別相談などの活動をしています。

■子どもらしくいられるまちに
○すべてのヤングケアラーが個人として尊重される支援
「世話するのは家族だから当たり前」「かわいそう」など、一面的にとらえずに、私たちがヤングケアラーを知ることが支援への第一歩です。
市では、関係機関の連携を強化することで、支援が必要な人を早期に発見し、適切な支援につなげるために教育・医療・介護・福祉の関係者、児童委員や子ども食堂などを対象に、研修会やフォーラムを予定しています。また、広報紙やホームページなどを通じて情報を発信し、啓発を推進しています。そして、子ども食堂や学習支援などの居場所づくりと繋げる支援も進めていきます。
周りの人が気づき、手を差し伸べることで、子どもたちが、「自分は一人じゃない」「誰かに頼ってもいいんだ」「自分は大切な存在だ」と思える、「子どもが子どもでいられるまち」を目指していきます。

問合せ:子ども子育て課

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