文字サイズ
自治体の皆さまへ

自然遊学館

22/40

大阪府貝塚市

■生きものだいすき!「ヤママユ」
◯萌黄色(もえぎいろ)の美しき繭(まゆ)
萌黄色の美しい天蚕糸(てぐす)織物をご存じですか?カイコの絹糸を染めたのではありません。ヤママユという大きな蛾の繭の色そのままの色なのです。
ヤママユは15センチメートルほどもある大型の蛾です。卵で冬を越し、4月頃に孵化(ふか)した幼虫はクヌギ、コナラ、クリなどの葉を食べて育ち、繭を作って8月頃に羽化します。成虫の口は退化していて、幼虫時の蓄えだけで数日生き、交尾のあと産卵をします。ヤママユの繭からとった絹糸はカイコの絹糸に比べて軽くて柔らかく、保温性にも優れ、繊維のダイヤモンドともよばれています。
長野県では江戸時代からヤママユの飼育が始まったそうです。品種改良が進んだカイコは野生には存在しないので家蚕(かさん)とよばれますが、ヤママユは自然の中で生息し天蚕(てんさん)とよばれます。改良されたカイコは1年に何度も繭を作りますが、ヤママユは一度きり。屋内で飼育できるカイコに比べ、ヤママユは屋外で飼育しなければ繭の色の本来の美しさがでないともいわれています。また、飼育は簡単ではなく生産量も限られてしまいます。この美しい絹糸は、その手間をかけてこそ得られる自然からの贈り物です。

問合せ先:自然遊学館
【電話】072-431-8457

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU