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特集 こだわりサイクル(1)

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大阪府高槻市

【Story1】ヨシ⇒布
◆鵜殿のヨシの価値を伝え、守り継ぐきっかけに
高槻市東部、上牧から鵜殿の淀川沿いに広がるヨシ原。なかでも鵜殿に自生するヨシの繊維を使った布製品がある。開発者の鳥居さんは、高槻に拠点を置く寝具店の3代目社長。鵜殿の再生をコンセプトに開発されたヨシの繊維を用いた糸があることに注目した。ヨシ原は水や土などを浄化し、多種多様な動植物が生息する貴重な場所。高槻に縁あるものづくりと環境への想いから「Udono fabric(うどのファブリック)」というブランドを立ち上げた。
まずめざしたのは、幼児向けのケットだ。ヨシは急速に成長することから、生命力の象徴ともされてきた。そんなヨシは、「すくすくと、まっすぐ育ってほしい」という子どもの成長への想いを託す寝具にぴったりだと考えたのだ。生地作りを試行錯誤するなかで最初に商品化が実現したのは、ふきん。そして、念願のケットも完成した。Udono fabricを使ってもらうことで鵜殿のヨシ原を知ってほしい。それが良質なヨシが育つ鵜殿の環境を守り、高槻に住む人の誇りになればと、鳥居さんは願っている。

・長いもので5mもの高さに育つヨシ。カットした茎をローラーで砕き、灰汁・水などに漬け込んで繊維化。綿と合わせてやわらかなオーガニック混紡糸となる。Udono fabricではこの糸から織られた布を使うことで、鵜殿の豊かな環境を守り継ぎたいと考えている

□商品化第1号!
・ヨシ糸を使った蚊帳生地を5枚重ねにしてしっかり拭けて乾きやすいふきんに。通気性を生かしたストールなども

・ヨシ原にすむ生きものたちをデザインしたアイテムも開発中

【Story2】トラック幌(ほろ)⇒かばん
◆工場で出合った残り生地で自分のかばんをつくってみたら
店舗設計士の小野さんは、リノベーションの仕事が増えたことから現場で出る廃材をアップサイクル※するおもしろさに目覚め、さまざまなものをつくってきた。「ONODE(オノデ)」ブランドのかばんも、そのひとつ。設計した店舗に日よけタープを設置する際に仲良くなったテント会社の製造工場に行った小野さんは、片隅に打ち捨てられていた生地に目が行った。その時、頑丈で汚れに強いトラックの幌の生地なら、欲しかった、A3の設計図が入り、建設現場にも置けるタフなかばんにぴったりではとひらめいたのだ。
本来は捨てられるはずのものをデザインやアイデアで別のものに再生する魅力を、小野さんは「深みや味わいがにじみ出て、新品よりおもしろい」と語る。リサイクルにはコストがかかる。ならば新たな価値を吹き込み、それに見合う値をつけ流通させることが環境にもやさしいはず。価値を見いだすまなざしが、古きものに注がれる。
※廃棄予定だったものに付加価値を持たせて新たなものに生まれ変わらせ、価値を高めること。

□ふるさと寄附金返礼品!
・巻いて収納できるキャンプ用カトラリー入れと、余った帆布でつくるバッグ。いずれも高槻市のふるさと寄附金返礼品

□地元企業とのコラボも!
・事務所で使ういすも廃材をアップサイクル。座面の絶縁体は、高槻の産業廃棄物処理会社で出合った余りもの。この会社の社員手帳をつくった際、ペンフックにも使用
・高槻発の工業フィルムメーカーとのコラボで生まれたコレクションケース。製造する工業用・電子部品の梱包・出荷用収納ケースを再利用

■ごみや不用品はちゃんと出せば資源になる!
最近よく聞く「サステナブル」とは持続可能な社会を目指す考え方で、環境問題を重視した「エコ」も含めたもの。資源も経済とともに回せば継続的に循環させることが可能になる。手放す時は分別や不用品回収に。捨てずにリサイクルやリユースのショップ、フリマアプリを活用するのもいい。ものを生かす第一歩は誰でもできる。

▽再生・再利用可能なものを手放すときは
分別や不用品回収にお役だち
高槻市ごみアプリ
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