文字サイズ
自治体の皆さまへ

診療所だより-健康づくりのアドバイス-vol.97

17/21

奈良県上北山村

上北山村国民健康保険診療所
医師:浅香幸久

■腎臓について
こんにちは。桜の季節も終わり、暖かくなってきた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回はあまり馴染みのない臓器である、腎臓に関してお話したいと思います。皆さんは腎臓と聞いてどのような臓器だというイメージがあるでしょうか?腎臓っておしっこを作るだけの場所じゃないのっていう方も多いと思いますが、腎臓は人体にとってとても大切な臓器であり、様々な働きをしています。
まず、腎臓の働きとして馴染みのあるものとしては、おしっこを作り体にとって不要な水を血液から濾(こ)し出し、血液量を調節するというものです。また、おしっこを作る過程で血液と尿の間でミネラル(ナトリウム、カリウムなど)の出し入れを行っています(主に尿中のナトリウムを吸入し、血液中のカリウムを排泄します)。さらに腎臓には意外な役割がもう一つあります。それは、血液の一つの成分である赤血球を増やすという役割です。具体的には赤血球の生産を促す物質(エリスロポエチンといいます)を腎臓が分泌することで赤血球がたくさん作られるようになります。つまり、腎機能の低下している方では貧血も起こりうることがあるので、注意が必要です。これ以外にも腎臓は様々な機能を持っているので、気になる方はまた調べてみてください。
ここまで腎臓の機能に関してのお話でしたが、どうしたら腎臓の機能を長く守っていくことができるのかについてお話していこうと思います。まず腎機能障害がどのように起こるかですが、基本的には腎臓は血管の塊なので、血管が傷つきやすい状況では腎臓も傷めつけられてしまいます。血管が傷つきやすい状況とはつまり、動脈硬化のある方ということになります。腎機能低下をきたす病気は動脈硬化以外にもあるため、それらに関してはここでは割愛させていただきます。長い期間、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙など動脈硬化を進行させる状況があると、動脈硬化も進行し腎機能も低下してしまいます。要するに腎機能障害を防ぐには生活習慣病にならないような生活習慣や喫煙をしないなどが重要です。普段から塩辛いものや甘いものを食べ過ぎないようにして、また腎機能障害を早めに見つけるためにも年に1 回の健診を受けることが重要です。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU