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帯状疱疹と予防ワクチン

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奈良県上北山村

■帯状疱疹と予防ワクチン
本年5月8日より、いよいよ「新型コロナウイルス感染症」は「5類に変更」となりました。この感染症では、ワクチンの接種で重症化が防げることがデータとして出るようになりました。
最近では多くのワクチンが登場するようになり、予防が可能となる疾患が増加してきました。今回、ここ最近で話題となっている「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」を予防するワクチンについてご紹介してみようと思います。
帯状疱疹という病気は、そもそもウイルス感染症の一種です。その原因ウイルスは水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスといって、幼少期に多くの方がかかっていることが分かっています。病気でいうと水痘、いわゆる『水ぼうそう』という病気です。この病気自体は一旦治癒するのですが、ウイルス自体は体の中、特に神経節に潜伏しているといわれています。
ある調査によると、日本人の90%以上がこのウイルスに既にかかっていて、体内に潜伏しているといわれています。
潜伏したウイルスは免疫抑制剤を飲んだり、お年を重ねられたりして免疫状態が低下してくると、体、主に神経に病気を起こし、その神経に沿った皮膚に病変、例えば片方の顔面や脇腹に『チクチク針を刺された痛みを伴った帯状の赤い斑点』が出るようになります。これを帯状疱疹と呼びます。
このウイルスは多くは皮膚に斑点を起こしますが、体の免疫状態によって出てくる症状が異なり、重篤になると顔面の近くに出ると口をうまく動かせなくなる麻痺(まひ)が出現したり、脳に影響を及ぼしたりします。
治療する抗ウイルス薬は数種類あります。主に飲み薬で治療することが多いですが、重症の場合には点滴が必要になる場合があり、入院が必要になることがあります。
治療をして斑点が消失しても後遺症として症状が残る場合があります。目にウイルスが入ると「角膜潰瘍(かいよう)」となって最悪失明したり、「帯状疱疹後神経痛」といってチクチクした痛みが長く続く場合があり、痛みを抑えるために長い間痛み止めを飲んだり、定期的に麻酔薬の入った注射を打たなくてはいけないようになったりします。
それを予防・軽減するのに2種類のワクチンがあります。1種類は小児への定期接種となっている「生ワクチン」です。60歳以上の接種者の発症予防が51.3%、神経痛への効果が66.5%あります。このワクチンは昔から使われているのですが、ステロイドなど免疫抑制剤を飲んでいる人に対して接種はできません。もう1種類は「リコンビナントワクチン」で接種効果は50歳以上で97.2%となっています。このワクチンは効果が高い上に免疫抑制剤を飲んでいる方、免疫不全の方にも効果が高いことが知られています。
アメリカでは、リコンビナントワクチンの接種を50歳以上では勧められています。現在はどのくらい有効なのかを検討されていますが、少なくとも10年間は有効ではないかとされています。リコンビナントワクチンは2回接種が必要なのと値段が高いことが問題です。
帯状疱疹ワクチンは非常に有効であり、是非かかりつけの先生にお問い合わせいただければと思います。

奈良県医師会

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