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下北山村 森のしごと記 -第3回-

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奈良県下北山村

地域おこし協力隊の長柄(ながら)です。「森のしごと記」3回目です。先日、土曜朝市でとても美味しいらっきょう漬を買おうとしていたら「広報誌の森のしごと記を書いてる方ですよね。楽しみにしています。」と、とてもうれしいお言葉をかけて頂きました。あの、その、こういうお言葉大・大・大歓迎ですので、朝市などで私を見かけたらぜひお声がけください。私、前職、圧迫と不具合指摘への改善やり直しで生きてきたので、いきなりほめられるのに慣れてないんです。でも素直にとてもうれしいです。気を良くして朝市たくさん買い込んでしまいました。私、村の農産物たくさん食べたいと思います。さて、前回の6月号では、「奈良型作業道」をご紹介しましたが、今回は少し掘り下げて、奈良型作業道の血と汗と涙の造成工程の一端をご紹介したいと思います。昨年9月から各施業に取り組んできた私には、施業現場で実際にやってみたけど「え?私これできないの??」と、くじけた作業がふたつあります。ひとつは「ロープ上げ」で、もうひとつは「釘打ち(くぎうち)」です。特に「釘打ち」は今でも苦手意識が強く、みなさん、「え?釘打ちごときができないの??」ってお思いになるかもしれません。そうです。私だって、まさかこれで躓(つまづ)くなんて思っていませんでした。でもマジで怖いんです釘打ち…。

■釘打ち(くぎうち)
奈良型作業道の造成において「釘打ち」とは、作業道の土中に埋設する丸太組み構造物を作る時の作業のことです。長さが約24cmもある八寸釘を、重さ2kgのハンマーで、2本重なる丸太に垂直に打ち込む必要があります。この作業、私まだうまくできないのですが、うまくできないとはどういうことでしょうか?みなさん少し想像してみてください。重いハンマーを振りかぶり両手で力いっぱい振り下ろして直径約1cmの釘の頭に当てるシーンを…。そう簡単に当たるものではないのです。そのときハンマーが真っすぐに当たらないと一瞬で釘は曲がってしまいます。また、正確に当てようとするあまり気の抜けた力で釘を打つと、今度は下北山の堅いヒノキ丸太に跳ね返されて、結局釘は曲がってしまいます。曲がった釘は使えません。曲がらないよう正確慎重に力強く打つ技術が必要ですが、その他にも必要となって来るのが危機に負けない精神力です。それは、この釘のお値段。1本20円とも30円とも言われ、打ち直しにもそれなりのお金がかかります。もう一度想像してみてください。既に同じ場所に3本打ち込んで全て曲がって全滅。4本目の釘打ちの恐怖。岡橋一嘉先生の優しいアドバイス。谷内先輩と金原さんの優しい励ましも全部巨大なプレッシャーとしてのし掛かります。ふ~もうこれ以上曲げられない。目を閉じ、荒れる呼吸を静め。痺れる腕をさすり。滴る額の汗はそのまま。心を水のように澄まし。全集中…振りかぶるハンマー。
せいっ。とりゃ~~!

す、すみません。交代お願いします。も、もう無理です(泣)
危機に負けない精神力って何?そう簡単に「キメツの~」のようには行かなかった~。

つづく
(※詳しくは本誌をご覧ください。)

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