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≪特集≫ 七ヶ浜の草花の魅力(3)

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宮城県七ヶ浜町

◆見ようとすれば、姿を見せてくれる
内藤:そのほか春の大木囲貝塚では、いろいろな花が見られます。特にマムシグサが面白いですね。マムシグサという名前は、茎がマムシの模様に似ているためで、秋には毒のある赤い実をつけます。
そのなかまのウラシマソウもよく見られ、こちらは、花から釣り糸のような長いひげが伸びていて、その名の由来にもなっています。
市村:秋の水辺では、黄色い花を咲かせるシナガワハギが好きです。乾燥させるといい匂いがするので、我が家では、わざわざドライフラワーを買わなくても済んでいます。名前を覚えると興味もわくし、区別ができると食べ方や利用の仕方もわかってきます。
内藤:私と植物との出会いは、小学生の時に夏休みの宿題で植物採集をしたことです。私は植物図鑑が大好きで、今話題の牧野富太郎さんの図鑑から入りました。
私たちの若い頃は、まだまだ情報がなかった時代でしたから、ちゃんとした図鑑は、たぶん、牧野さんのものしかなかったと思います。
牧野さんは、一つ一つ植物の図を細かく描いています。しかし、図鑑の中には、特定の角度からの写真しか載せていないものもあります。その場合は、名前を特定するために、いくつも図鑑の写真や記述を見比べます。
スミレだけの図鑑、ドングリを集めた図鑑など、いまではありとあらゆる図鑑が出版されていて、しかもネットでも調べることができます。
逆に、いろいろ調べていくと、どんどん種が分かれていき、それぞれに名前もあり、わけが分からなくなることもありますね(笑)。
市村:自然は複雑ですよね。ただの草ですが、よく見るとそこには、精緻(せいち)で不思議な世界があるんです。普段から意識しないと見えません。見ようとしなければ姿を現してくれないのです。

◆自然保護は人間の保護、多様性を楽しもう
市村:田んぼや畑、住宅の庭や公園、浚渫(しゅんせつ)した港や防潮堤、そして砂浜や人工リーフ。風光明媚な七ヶ浜の風景も、実はほとんど人間抜きでは成り立たない景色ですよね。
ところが自然は、人間が作ったものを決してそのままにしておいてはくれません。象徴的なのは、3・11の大津波ですね。強烈な津波が人々がつくったものをまぜっかえした。
それだけでなく、庭や畑に植えた植物は、鳥や虫や風の力を借りて周囲に広がり、港から来た外来の海岸植物たちは潮流や波風によって分布を広げていきます。ススキとセイタカアワダチソウなど、毎年繰り広げられる帰化植物と在来種との攻防を見ていても、いろいろ発見があって考えさせられます。
今の植物を見て本来の自然に想いをはせることは、結果的に多様性の確保、ひいては人間の保護にもつながるはずです。「面白がってその植物たちを見続けること」が大切なのかな、とも思っています。「何がなんでも自然保護!」と力まずに、多様な自然を楽しく見ていきたいですね。その点、散歩は最適ですよ。

○マムシグサの実
実の色:赤

○ウラシマソウ
花の色:上部はこげ茶下部は白

○シナガワハギ
花の色:黄

※詳しくは広報紙をご覧ください。

◆大木囲貝塚はみどころがいっぱい!
▽大木囲貝塚ネイチャーウォーク
内藤祐子さんと市村均さんと一緒に貝塚内を散策しながら秋の植物を観察します。
歩きやすい服装と靴でご参加下さい。
とき:10/7(土) 10時~12時 雨天時の予備日10/14(土)
ところ:歴史資料館研修室・大木囲貝塚遺跡公園
参加費:200円
対象・募集人数:小学生~大人 最大20名。小学4年生以下は保護者同伴。

参加者募集中!

問合せ・申込:歴史資料館
【電話】365-5567
月曜休館

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