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自治体の皆さまへ

れっつらぶ健康 第439回

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宮城県丸森町

■高齢者の骨折
金上病院副院長 齊藤弘樹(さいとうひろき)

超高齢化社会が進む中で、骨や筋肉の健康維持がとても重要になっています。高齢者の骨折には、大腿骨近位部骨折(太ももの付け根)や脊椎圧迫骨折(背骨)、橈骨(とうこつ)遠位端骨折(手首)が多く、転倒や尻もちが原因となります。特に大腿骨近位部骨折は、歩行などの日常生活動作(ADL)を著しく低下させ、寝たきりになることもあります。
骨粗しょう症は女性に多く、年齢とともにその頻度は増加していきます。骨の量が減って弱くなり、骨折しやすくなる病気です。背中や腰が曲がったり痛みがでたり、身長が縮んでくることがあります。
高齢者では、食事摂取量が減り、低栄養になることでサルコペニア(筋力・筋肉量の減少)がみられます。これにより転倒しやすくなり、骨粗しょう症による骨のもろさから、簡単に骨折しやすい状態になっています。骨折の予防には、骨粗しょう症の早期発見と適切な薬物療法が重要です。
しかし、骨折して初めて自分が骨粗しょう症だったと分かることもあるのが現状です。高齢になったら、ぜひかかりつけ医に相談していただきたいと思います。骨折の手術は急性期病院で、リハビリテーションは回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟で行います。高齢者では、認知症や加齢により心身がおとろえた状態(フレイル)がみられ、入院中に誤嚥性肺炎や尿路感染症、食欲低下による脱水症の合併などもしばしばみられます。退院するためには、そのような高齢者特有の様々な課題の解決も必要で、リハビリスタッフはもちろん、主治医、看護師、薬剤師、管理栄養士、介護士、相談員、ケアマネージャー、サービス事業者などの多職種連携がかかせません。

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