■ブナの大凶作により出没が増える恐れがあります
市内では、山間部を中心に、耕作地や市街地の近くにもクマが出没しており、本年度はすでに119件(8月末現在)確認されています。市内に生息するツキノワグマは、本来臆病で警戒心が強い性格のため、人を避けるように山の中で生活しています。しかし、山の餌が少なくなる夏や、秋の重要な食物であるブナ等の木の実が不作のときには、食料を求めて人里に近づくことがあり、農業被害や人身被害につながることがあります。特に今秋は、夏に行われたブナの開花状況調査の結果から、県内においてブナが大凶作と予想されており、注意が必要です。
そのほか、中山間地域の過疎化によって手入れされなくなった里山や、耕作放棄地の増加なども、クマが人里に近づきやすくなる一因と考えられています。放置された農作物の管理や、やぶの草刈り等、クマを寄せ付けない環境づくりに地域で取り組むことも大切です。
山や森林などに出掛ける人も多い秋の行楽シーズン。クマに関する正しい知識と適切な対策を身に付けて、被害を防ぎましょう。
■クマによる被害防止のためにできること! 専門家の方にお話を伺いました
○株式会社地域環境計画 野生生物管理部 吉田淳久(あつひさ)さん
仙台は山から市街地に樹林帯がつながっているところが多く、クマが人間の生活圏に近づきやすい環境があります。ただ、人を攻撃するのは防衛のためであることがほとんど。クマの生態を知り、適切な対策をとることが重要です。
■クマに出合わないために
○山や川沿い等を歩く際はクマに人がいることを知らせる
・クマ鈴やラジオを持ち歩く
・できるだけ1人ではなく、複数人で会話しながら歩く
○クマの隠れられそうな場所の近くはできるだけ避ける
雑草や木が生い茂ったやぶに身を潜めていることがあります
○早朝や夕方は特に気を付ける
クマは薄暗い時間帯に活発になります
○クマの出没情報を確認する
■クマを寄せ付けないために
○クマの食料となるものをなくそう
・果実や野菜の収穫は早めに行う
・廃棄野菜や生ごみの管理を徹底する
・ペットフードや燃料油は外に放置しない
○クマが身を潜められない環境にする
クマが身を隠せる雑草等を刈り、見通しを良くしましょう
■クマに出合ってしまったら
○クマが遠くにいる場合
・クマが去るのを待つか、静かに離れる
・クマがこちらに気付いたら、刺激しないように声を掛け、静かに立ち去る
○クマが近づいてきたら
車や建物に逃げ込むか、ゆっくり後ずさりして離れましょう
○クマに襲われてしまったときは
両手を首の後ろに回しうつぶせになり、致命傷を防ぎましょう
[!]絶対してはいけないこと
×大声で叫ぶ
×背中を見せて、走って逃げる
■出没情報はこちらをチェック
○クマ出没情報マップ
「せんだいくらしのマップ」で目撃された場所を確認できます。詳しくは市ホームページをご覧ください
○仙台市LINE(ライン)公式アカウント
友だち追加をして受信設定から「クマ出没」を選択すると、クマ出没情報が通知されます
問合せ:環境共生課
【電話】214・0013【FAX】214・0580
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