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【特集】可能性は無限大 なとりこどもファンド(1)

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宮城県名取市

「自分たちのまちの魅力を伝えたい」「自分たちが企画したイベントで地域の人と一緒に盛り上がりたい」「住んでいる地域をもっとキレイにしたい」。子どもたちが自分のまちをより良くするためのアイデアを実現する機会になっているなとりこどもファンド。子どもたちが主体となり、「自分たちのまちを良くしたい」という思いで事業プランを提案します。
少子高齢化や、人口の東京一極集中などの影響により、地方ではまちづくりの担い手が減少するなどの問題が生じています。
「まちづくり活動に携わる多くの子どもたちがまちづくりの楽しさ、大切さを学び、将来の活動につなげていってほしい」。そのような想いのもとに、実施されているなとりこどもファンド。子どもたちがまちづくりの一端に触れ、将来の可能性を広げる事業に迫ります。

■子どもたちのまちづくり
なとりこどもファンドは社会全体で応援する”子どもが主体”のまちづくり活動です。子どもが主体となって取り組むまちづくり活動を推進することで、未来のまちづくりを支える「なとりの人財」を育成し、子どもたちのアイデアをみんなで応援することで、名取市全体のまちづくり活動の活性化を目指しています。

■なとりこどもファンドの仕組み
なとりこどもファンドでは、子どもが事業プランを提案し、子どもが審査・採択。採択された事業は子どもたちが活動していくという、すべての活動を子どもたちが主体で行う全国的にも珍しい事業です。
公開審査会や活動発表会では、子どもたちの独創性あふれるアイデアや、大人顔負けのプレゼンテーションなど見どころが満載です。事業を提案する子どもたちだけでなく、審査をする子どもたちも主役のひとり。鋭い意見や質問が飛び交うこともあります。
なとりこどもファンドでは採択された団体が活動を終えると活動発表会が行われます。採択されてから、事業が終了するまでの活動の内容を発表し、こども審査員たちの審査により「なとりde賞」「希望のたねde賞」「元気de賞」という3つの賞が決められます。

■早稲田大学社会科学部卯月盛夫教授に話を伺いました!
「なとりこどもファンドで活動している子どもが身近にいたら、ぜひ市民のみなさんも応援してください!」と呼びかけます。

○全国に広がるこどもファンド
「令和5年4月から子ども基本法が制定され、各自治体はさまざまな子どもの施策を推進することになると思います」。そう話す卯月教授。日本で初めて実施されたこどもファンド「こうちこどもファンド」の企画立案から関わるなど、こどもファンドの第一人者です。
こどもファンドは2012年に高知市が全国に先駆けて実施し、2019年には名取市、2022年には茅ケ崎市で事業をスタート。さらに2024年度には3つほどの自治体が同様の取り組みを行うそうです。「全国に広がるこどもファンド事業ですが、背景には少子高齢化が進む中で、次世代を担う子どもたちにまちづくりに関心を持ってもらい、流出する人口を少しでも減らしたいという地域の切実な思いがあると思います」と卯月教授は話します。

○こどもファンドが描く未来
全国に先駆けて実施された高知市の調査によると、こどもファンドに関わった子どもたちからは「まちづくりはおもしろい!」「まちのために役立ちたい!」「大人の知り合いが増えた!」などの声が聞かれ、意識の変化が見られるとのことです。
子どもたちの活動を支援する大人も、子どもの活動を通じて繋がり、地域やコミュニティが少しずつ変化し始めていると感じているとのこと。「子どもたちは活動を通じてシティズンシップ(市民性)を身に付けることができます。また、“子どものチカラ”が大人と地域を変える可能性があると思います」と卯月教授はこどもファンドの可能性を話します。
「子どもは大人が忘れてしまった豊かな想像力と鋭い感性をもっている」と話す卯月教授。子どもと一緒にまちや社会のことを考えることが地域コミュニティの再生につながると考えています。

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