地方自治法および、地方公営企業法の規定により、決算を監査委員の審査に付することとされています。監査委員が市の決算書などを確認し、予算執行や会計処理が、適正で効率的に行われているか審査しました。
●決算審査期間
6月2日(金曜日)から8月22日(火曜日)まで、武田 孝一(たけだ こういち)監査委員と藤野 修一(ふじの しゅういち)監査委員、鹿野 芳幸(かの よしゆき)監査委員が審査を行い、9月5日(火曜日)に市長に意見書を提出しました。
●審査結果
一般・特別・事業会計の決算と基金の運用状況などを審査した結果、決算書などの計数は正確で、その内容や予算執行状況も適正、妥当と認めます。
《監査委員意見》
●一般・特別会計、基金運用状況
子育て支援策、25人学級などの教育環境の整備に加え、自然災害に対する防災・減災に係る事業などに取り組まれました。
新型コロナウイルス感染症対策としては、感染予防効果や重症化予防効果が高いワクチンの早期接種の勧奨を栗原市医師会の全面的な協力のもと継続的に行った他、感染者の負担軽減につながる宿泊療養施設の利用開始に努められました。
また、子育て世帯生活支援特別給付金や全世帯へ物価高騰支援生活応援商品券を配布するなど、各種支援策を実施し、市民の安全で安心な暮らしの創出や地域の経済対策のための広範囲に及ぶ支援や対策が講じられました。
財政状況については、これまで財源の確保に努められ、着実に健全化が図られてきましたが、税収の減少、社会保障関係経費や公共施設等の老朽対策費等の増加など、より厳しい財政状況となることが想定されます。将来にわたって安定的な財政運営が行えるよう「第3次栗原市行政改革大綱」による取り組みを全庁挙げて着実に実行し、必要な財源の確保と事業の見直しや選択と集中による歳出の重点化に努めるよう望みます。
市民協働のまちづくり推進の仕組みを確立し「市民が創る くらしたい栗原」の実現を目指して、第2次栗原市総合計画後期基本計画に基づく事業推進にまい進することを期待します。
●水道事業会計
配水管路の耐震化事業などを実施し、将来にわたり安全、安心な水道水の安定的な給水を確保していくための施設整備が行われました。給水状況は、給水人口の減少などから給水量の伸びが期待できない状況で、水道施設の更新や耐震化による費用の増大、さらには物価高騰による動力費の増加が見込まれることから、事業収益の確実な確保及び一層の経費削減に努めるよう望みます。
また、将来にわたり、安全な水道水を安定的に供給していくため、安全で強靭な水道施設を構築していくとともに「栗原市水道ビジョン」に基づき、健全経営が継続して行われることに、大きな期待をしています。
今後も市民生活に直結したライフラインとして、安全で清浄かつ、おいしい水を安定供給できるよう、一層努力されることを望みます。
●下水道事業会計
地方公営企業会計に移行し、経営状況を的確に把握することが可能となり、経営戦略の見直しを行いながら、経営基盤の強化と合理的かつ効率的な事業運営が求められています。
将来、下水道使用料収入の伸びは鈍化していくことが見込まれることから、水洗化率の向上に取り組まれるとともに、未収金対策の更なる強化を図り、財源確保に努めるよう望みます。
汚水処理施設の維持管理においては、下水道ストックマネジメント計画に基づく業務の効率化とコスト削減が期待されます。
下水道事業は、市民の快適な生活を支える重要なライフラインです。将来にわたりサービスを安定的かつ持続的に提供できるよう、今後も健全な事業経営に努めるよう望みます。
●病院事業会計
「栗原市病院事業第四次経営健全化計画」に基づき、経営改善に向けた取り組みが積極的に進められましたが、純損失を計上する結果となりました。
人口減少により患者数の増加は期待できない状況であり、加えて、新型コロナウイルスなどの社会状況に応じた対応が求められることから、限られた財源と限られた医療資源を地域全体で最大限効率的に活用し、自治体病院としての役割を果たせるよう期待します。
栗原市の地域医療を支える病院事業が、将来にわたり、質の高い安全で安心な医療を安定的に継続して提供できるよう、今後も強い使命感をもって、経営の健全化に向けて尽力するよう望みます。
※意見書の全文は、市ウェブサイトからご覧ください。
問い合わせ先:栗原市監査委員事務局
【電話】42-1120
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