文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】ピアノ調律師が紡ぐ音の世界(1)

1/30

宮城県栗原市 クリエイティブ・コモンズ

美しい音色と豊かな響きで、私たちを魅了するピアノ。
その魅力的な音を奏でるためには、人の手による精密な調律作業が欠かせません。
今回は、ピアノの音色を守る人、ピアノ調律師について紹介します。

◆ピアノの誕生
ピアノの原型は、18世紀のイタリア、チェンバロ製作家のバルトロメオ・クリストフォリの手によって誕生しました。
当時の鍵盤(けんばん)楽器の主流は、チェンバロというピアノによく似た形のものでした。チェンバロは、弦をはじいて音を出すという仕組みで、音に強弱をつけにくいという性質があります。
クリストフォリは、この性質を克服し、鍵を押す力の強さで音の強弱をつけられるようにするため、ハンマー仕掛けで弦を打って音を鳴らすという、現在のピアノにつながる仕組みを発明しました。
その後、ピアノ音楽の発達とともに鍵(けん)の数や弦の素材などに改良が重ねられ、私たちが耳にするピアノの音が完成しました。

◆楽器の王様
ピアノの鍵の数は全部で88鍵あり、その音域の広さは、オーケストラで使用される楽器全てを網羅できるといわれるほどです。
また、一つの音だけでなく、複数の音を同時に鳴らすことができるため、音色を重ねた豊かな表現ができるという特徴も兼ね備えています。これにより、主旋律を弾きながら伴奏も同時に弾くことができるという、ピアノならではの演奏も行えます。
このように、ピアノは多彩な特徴を持っているため、楽器の王様と呼ばれています。

◆調律の専門家
ピアノをはじめ、ほとんどの楽器は使用していくうちに音程や音色などが乱れてしまいます。そのため、定期的に音を整える調律という作業が必要です。
多くの楽器は、演奏者自身が調律を行いますが、ピアノは繊細かつ複雑な構造になっているため、演奏者自身が調律を行うことが難しい楽器です。
こうした理由から、ピアノに関する専門的な知識と技術を持ち、調律や保守、修理などを行ってピアノの音色を守る、ピアノ調律師がいます。

[参考文献]
・PHP研究所「音楽がたのしくなる世界の「楽器」絵事典 歴史から、音の出るしくみまで」
・株式会社ポプラ社「演奏者が魅力を紹介!楽器ビジュアル図鑑1弦楽器・鍵盤楽器バイオリン ピアノほか」
・株式会社日本実業出版社「〈カラー図解〉楽器のしくみ」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU