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【特集】ピアノ調律師が紡ぐ音の世界(4)

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宮城県栗原市 クリエイティブ・コモンズ

声楽を中心に、市内外でさまざまな音楽活動を行っている栗原さんに、ピアノ調律師の存在について、話を伺いました。

栗原 真弓(くりはら まゆみ)さん(若柳大袋)

◇演奏者に寄り添う人
音楽は、作曲者、演奏者、観客が一体となって作られる芸術作品です。そして、その音色を守る役割を担っているのが、ピアノ調律師です。
私たち演奏者は、曲に込められた思いや、その曲を聞いて感じたことを音に乗せて表現しています。
そのため、この音はもう少し柔らかい響きにしてほしい、鍵盤を押したときの感覚を調整してほしいなどピアノ調律師にお願いします。
また、ピアノはその日の天気や気温、湿度の他、会場の広さ、演奏者の個性、どのような曲を演奏するかによって、音の響きは大きく異なります。
ピアノ調律師は、そうした演奏者の要望と情熱にしっかりと耳を傾け、会場の環境や天候を考慮した上で、音と真摯に向き合ってくれます。安心して音作りを任せられる存在がいるからこそ、演奏者は、のびのびとした表現ができ、多くの人に感動を届けられるのだと思います。
ピアノの美しい音色の裏側には、ピアノ調律師が長年磨いてきた確かな技術と、手仕事ならではの温もりがあります。演奏者が奏でる音色から、そのことを感じ取ってもらえたらうれしいです。

◆調律師の仕事 一部を紹介
(1)弦の張りを調整(調律)
チューニングハンマーでチューニングピンを回して、弦の張りを調整します。

(2)ハンマーの先端を調整(整音)
弦を打ち続けることで摩耗したハンマー先端のフェルト面を、削るなどして調整し、音や響きのバランスを整えます。

(3)鍵盤の高さ・押したときの深さを調整(整調)
定規を使って鍵盤が水平を保っているか確認し、鍵盤の下に調整用の紙を入れて高さを調整します。

◆音色から感じる手仕事
私たちにとって、身近な楽器の一つともいえるピアノ。最近では、誰でも自由に弾けるストリートピアノが街中に設置されていることもあり、その音色を耳にしたり、実際に触れてみたりした人もいるのではないでしょうか。
誰もが知っている楽器だからこそ、美しい音を作りたい。ピアノ調律師たちはそうした思いを胸に、日々技術を磨いています。そして、その熟練した技術は、美しい音色となって、私たちに届けられているのです。
ピアノの音色を陰で支える調律師がいることを知り、改めて音楽を聞いたとき、これまでとは違った音の奥深さに気づくことができるかもしれません。
夏の訪れとともに、爽やかな風や活気が街中に溢れるこの季節。ピアノの音色を通して、いつもとは一味違う夏を感じてみてはいかがでしょうか。夏の音色が、皆さんを待っています。

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