市内では、路線バスや鉄道などの公共交通が運行され、市民の暮らしを支えています。
今月は、市民バスの再編と、新たに開始するタクシー利用助成事業を紹介します。
■新たな地域公共交通計画と4月からの変化
市ではこれまで、市民が使いやすい地域公共交通を目指し、乗合デマンド交通の導入、バス路線や便数の見直しを行ってきました。しかし、人口減少や高齢化による利用者の減少、運転士不足なども深刻化し、地域公共交通を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。
こうした状況を踏まえ、持続可能で便利な地域公共交通を維持するため、令和6年度から10年度までの5年間を計画期間とした「栗原市地域公共交通計画」を令和5年度に策定しました。
課題解決に向けた取り組みとしてこの4月からは、経路が重なっているバス路線をまとめる他、終点を延ばして他の公共交通との接続を改善します。また、市内全域でのタクシー利用助成事業を新たに開始します。
■市民バス路線の見直しと運賃の改定
これまで、大崎市方面へ向かう路線は、古川線と大崎市民病院線の2路線を運行していましたが、経路が重なっている場所があるため、この2路線をまとめ、通勤・通学時間帯の便数を増やしました。この他にも、築館一関線と花山線の終点を、くりこま高原駅まで延ばすなど、利便性向上に向けた見直しを行いました。
また、燃料価格の高騰や人件費の増加などが市民バスの運行に影響を及ぼしているため、一般の運賃を片道100円から200円に改定しました。
■タクシー利用助成事業開始
タクシー利用助成事業は、乗車したタクシー運賃の一部を市が助成するものです。居住地区(旧町村)内は500円で移動することができ、地区(旧町村)間の移動は3千円を上限に、運賃半額分の助成を受けることができます。
これまでの乗合デマンド交通は、曜日や乗り降りできる場所などが限られていましたが、本助成事業はこうした制限がなく、事前予約も不要です。
◇再編後の市民バス運行路線図
■主な変更点
◇築館古川線(統合)
築館古川線を増便し、終点を大崎市民病院とすることで利便性を確保します。
◇築館一関線、花山線(延長)
路線を延長し、市域北部・西部から乗り継ぎ不要に
市民移動が便利に
◇運賃の改定内容
◇運賃の減免
障害者手帳を持っている本人と介助をする人1人まで、半額の運賃で利用できます。
◇回数券・乗継券の廃止
回数券と中高生を対象とした乗継券を廃止し、現金のみの取り扱いとします。(回数券は使用できません)
◇その他
・利用者が極端に少ないバス停を廃止しました。
・利用者が少ない時間帯を減便した他、ダイヤを改正し、東北新幹線と東北本線との乗り継ぎを改善しました。
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