文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】地域の種まき(1)

1/40

宮城県登米市

「あなたが住んでいる地域の魅力は」と聞かれて思い浮かぶのは何でしょうか―。
少子高齢化や過疎化、ライフスタイルの多様化など、生活環境が急速に変化していることなどにより、地域の行事や活動に参加する人は徐々に減少してきています。
そんな中、地域の魅力を再発見して活性化させようと、市内各地区に配置された「集落支援員」がさまざまな事業を展開。その活動や住民の声から、これからの地域づくりに必要なことを考えます。

■地域特性に応じて事業を展開21人の集落支援員が活動中
▽地域づくりと課題解決集落支援員制度
本市だけでなく、多くの自治体が抱える課題である人口減少と過疎化。総務省は、地域の課題などについて住民自ら考えて解決に取り組み、持続可能な地域コミュニティづくりを進めるため、2008年に集落支援員制度を創設しました。
市では、15年に本制度を導入。地域の活性化を図るため、魅力ある地域づくりを目指して着手しました。

▽全コミュニティ組織に配置地域づくりのリーダー
本市では、コミュニティ組織に集落支援員の設置を委託。各地区で採用された集落支援員は、公民館やふれあいセンターで地域づくりに関する業務に当たっています。
集落支援員が担う業務内容は、地域課題の掘り起こしと解決に向けた取り組み、地域資源の調査、地域環境の把握、交流事業の実施など多岐にわたります。行政や他地区の集落支援員と情報交換し、研修などを通じて知識と人脈を広げながら、地域づくりのリーダー的存在として、市内21地区で活動しています。

▽地域づくり計画を見直し新たな5年がスタート
登米市まちづくり基本条例では、市民一人一人が地域づくりに参加し、市と協働で地域資源などを生かして課題を解決していくため、地区ごとに「地域づくり計画」を策定することとしています。計画期間は5年間で、既に市内全コミュニティ組織で策定。本年度から順次計画の見直しをする時期となっています。新たな計画は、これまでの取り組みの内容を検証し、住民からの意見や要望を反映させて策定します。
計画には、地域の現状と課題、これまでの活動経過と今後の目標、地域を活性化していくための具体的な活動内容などを記載。地域の状況に応じ、効果的で実効性のある計画になるように、住民の声を聞きながら、集落支援員を中心として地域づくりに取り組んでいきます。

■活気とにぎわい創出

◆地域の魅力を次代へ伝える

米川地区の魅力は、豊かな自然環境と、ユネスコ無形文化遺産に登録された「米川の水かぶり」などの伝統文化、そして人と人との絆だと思います。
現在の第3次地域づくり計画では、育ち盛りのこども、働き盛りの若者、健康な高齢者が元気で幸せに暮らし、自然環境や伝統文化などの地域資源と先人たちの思いを次の世代へしっかりと引き継いでいくことを目標に、「結ゆい」をテーマに事業を実施しています。
後世に継承していくためには、こどもの頃から地域のことを知ってもらうことが大切だと思うので、地域の宝である、こどもたちを対象にした事業にも力を入れています。自然環境や伝統文化を体感することで、地域に愛着を持ち、ふるさとを大切に思うこどもに育ってもらいたいと考えています。
現在は、来年4月からの第4次計画の策定を進めています。住民の声を聞きながら、さらに笑顔と活気ある地域づくりに取り組んでいきたいと考えています。

◆若者たち自らにぎわい創出

石越地区では、地域の行事に参加する若者が減少していることが課題となっていたので、今後の地域づくりの担い手である若者の育成と交流を目的に「若者井戸端会議」を始めました。
この会議は、若者に本音で話せる場を提供し、地域づくりに若者の声を生かしたいと考え、20から40歳代の若者で構成し、現在13人で活動しています。
1年目は、石越地区の魅力や課題などについて話し合い、その報告書を地区内全戸に配布しました。2年目は、「いしこし光のページェント」の電飾装置とチラシの作成、フォトスポットの設置や点灯式の企画・運営などに参加し、例年以上に石越の冬の風物詩を盛り上げてくれました。
3年目の今年は、石越地区市民体育祭への協力など、2年目以上に地域づくり事業に積極的に関わりながら、新たな事業の企画も検討しています。
これからも若者の自由な発想で、にぎわいと交流が生まれる事業を一緒に企画していきたいと思います。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU